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AUTHENTICITY(自分らしさ)の時代:リーダーシップ・ブランド・幸福論の視点から
自分らしくあることがかつてないほど重要な時代と言われています。
単なる空想的なマインドセットの話にとどまらず、スポーツ界、ビジネス界あるいは幸福な人生の文脈において注目を集めています。
自分らしさを英語にすると"AUTHENTIC-SELF(本物・最高の自分)"です。
実は、英語で検索すると、「自分らしさ」がリーダーシップや、ブランディング、パフォーマンス、幸福論といった幅広い領域で語られています。
「自分らしさ」を大切にしていると言えば、北京オリンピックで銀メダルを獲得したカーリング女子チーム「ロコ・ソワーレ」の感動を思い出します。
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インタビューされるたびに繰り返しでてくる言葉が印象的でした。
「五輪を楽しめているし、私たちらしく勝てた」
「ここで満足するのももったいない。しっかり自分たちらしい試合を」
「最後まで自分達らしくやっていく」
合言葉のように自分たちらしくを大切にしている様子が伝わってきます。
スポーツ界でも「本来の自分たちのプレーができたか」を大切にする意味で自分らしさという言葉が使われ、パフォーマンスにとって重要とされます。
私が住んでいたフィンランドではWell-Being(良い状態であることあるいは幸福)≒「自分らしく生きること」という解釈があります。
このように「自分らしく(Authenticity)」あることは、さまざまなメリットがありますが、より具体的に何を意味して、なぜ重要なのかといったことはあまり書かれていないので、今回はイメージしやすい「職場で自分らしくあること」をテーマに書いてみます。
なぜ、自分らしく?
従業員が会社に求める価値観にシフトがあると言われています。
例えば、
「完璧」よりも「透明性」を
「指示・命令」よりも「自律性」を
「イヤイヤ続ける」よりも「個性や強みが活きる仕事」を
といった考え方が徐々に増えてきています。
そのような変化に伴い、人に弱みを見せるのは良くないこと、家での自分と会社での自分は全くの別物で、他人に共有するものではないといった考え方が変化しつつあります。
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家での自分(パーソナリティ)を全く見せずに仕事をするよりも、
自分の好きなことや得意なこと、苦手なことをうまく同僚とシェアしながら仕事をする方がうまくいくといったことがあるようです。
Authentic Person(Leader)と言われる人たちは、自分たちの強みや苦手なことをよく理解して、それをうまく仲間と共有していると言われています。
そうすることで、自分がよりよい状態(幸福度も高いと言われる)でありながら、周囲からの理解が得られたり、信頼関係を築き、パフォーマンスにもつながってくると言われています。
自分らしくとは?
分人という考え方があるように、
自宅での私、職場での私、親しい友人と話す私、家族といる私、初対面の私というように、自分という存在は非常に多面的です。
一方で、全ての「私」が完全なる別物かというと言い過ぎで、少しずつ重なり合いながら、自分というパーソナリティが形成されているようです。
職場で求められるプロフェッショナルとしての私だけが全てではなく、必ずそのプロフェッショナルのなかにも、細かな作業が苦手とか、全体を見渡すことが得意とか、物語が好きとか、ちょっとプライベートな自分も含まれているのだと思います。
そうしたなんとなく共通する自分の特徴、好き・嫌い、得意・不得意、思いなどが「自分らしさ」の源だと考えられています。
自分らしくあるために?
そうした「自分らしさ」の源を自分自身で分析したり、他者との対話を通じて、発見していくこと(SELF-AWARENESSを高める)が第一歩と言われています。
そうした上で、そうした自分らしさをどのように周囲に伝えていくか(その伝え方がポイントで、プロフェッショナル性とうまくバランスさせていくのが難しさでもある)が自分らしく働ける環境に繋がると言われてます。
この職場は、ありのままでいられる、強みや好きが活かされているといった感覚になれる環境とそうでない環境があるように思います。
これらの記事を読みながら私は、ただ環境を変えてみるだけではなく、自分自身で自分らしくあるための関係性や環境を作り出す工夫をすることが実は大切なんだろうなあと感じました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
Photo : プラハにて撮影
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