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プペル歌舞伎!

 "歌舞伎のチケット貰ってくれませんか?
ある日、いつも元気をくれるお友達がメッセージを送ってくれた。遠方から来る予定がチケット取った後に飛行機の手配が出来なかったようです。

 最初は「こんなに興味がない私が行っていいわけがない!」と、笑ってお断りしようと思ったんだけど。せっかくなのでいただいてみました!

それが新作歌舞伎「プペル~天明の護美人間~」

私がいただいたのは市川ぼたんちゃんの回です。
「えんとつ町のプペル」は最近もAmazonプライムで見たけれど、歌舞伎での公演になるなんて。市川海老蔵さんの親子出演は、巷でも話題です。
 歌舞伎といえば中学の頃、学校で連れて行ってもらったけど当時は言葉の意味がわからなかった思い出が…。今行ったら楽しめるのかな?

 プペル歌舞伎を観るにあたり、事前にみんなの感想をネットで拾ってみたら「子どもを連れて行って良かった」と書いてある。こどもが座って聞いてられる? むずかしい言い回しについていける? 嘘でしょ? とびっくり。

 そこで今回わたしは、
【もしうちの小学三年生の息子を連れて行ったら、始まりから終わりまで舞台を楽しめるのか】という視点で見てきました!(ネタバレしないように気をつけます)

検証①飽きない?
 昔からのからくり舞台などの舞台芸術に、現代的な技術の表現が合わさって、思わず「うわぁ〜」と声の出るめくるめくステージの世界でした。最初から最後まで見応え十分!
 「開演中こどもが座ってられるか」問題は、たしかに幕間明けの数分、大人にとっては心情的なシーンでちょっと長いかな?って思うかもしれない。でもそこからクライマックスへの畳み掛けに興奮するんじゃないでしょうか。

検証②言葉の意味がわからないんじゃない?
 そもそも来ている子どもたちで「えんとつ町のプペル」のお話を知らない子は少数と思われます。なので大体ストーリーがわかればどのシーンかわかったのじゃないかな?キャラクターによっては、現代的な表現も途中途中挟まっているので、ずーっとわからないってことは無さそうです。

検証③こどもが好きそうな見所ある?
 これはうちの男子を思い返すと絶対ハマりそうと思ったのが、やっぱり大きく見栄を斬るシーンですよね。はでな動作と言い回しに心惹かれてすぐマネしそう。
特に海老蔵さんの隈取りと伊達なお衣装がまたかっこいいですよね。

 と、ここまで思い返すと、小学生が行っても十分楽しめそうです。特に、プペルの夜空をイメージした世界とお囃子の融合が、ねぶた祭りのようなお祭りの夜を彷彿とさせます。血が騒ぐような原始のリズムに大人子ども関係なくドキドキ出来そうです。

ところで、歌舞伎ってチケットのお値段高い?っていうイメージでした。わたしがいただいたチケットも、もちろん高価なチケットでしたが、席にも種類がありピンからキリまであるようです。

その差はなんと3,000円から30,000円まで。

SS席 30,000円
S1席(2階最前列)20,000円
S席 14,000円
A席 11,000円
B席 6,000円
C席 3,000円

引用 : 歌舞伎人公演情報詳細

しかもお座敷の席なんかもあって、リラックスできそうです。3階は比較的お安めの席ですが、上に行くほど全体が見えるので見やすいのかもしれません。

でももしかしてこどもが楽しめるってことは、子供だましのようで、大人は白けちゃうんじゃ… という疑問がここにきて浮かびますよね?

 わたしはとにっかく楽しかったです!ワクワクしたし、はる扮するぼたんちゃんの健気な姿に涙したし、鮮烈な景色に気持ちが上がりました。
 普段、歌舞伎を見ることはないので、そういう文化に親しみのない側の意見しかお伝えすることは出来ませんが、
伝統芸能の雰囲気を十分味わいつつも、
「えんとつ町のプペル」で伝えたいことは、きちんと描かれているので、より作品の精神性を感じられて楽しめたと思います。
もともと日本の作品なので、人情という点では共通しているのですよね。

 大人は大人で、市川海老蔵一家に起こったひと昔前のリアルな試練の実話は皆が知るところなので、私なんか重なってしまい涙涙で大変。
健気なお子様の演技にしっかりとした強さを感じました。またコロナ禍で高齢の客足の途絶えた歌舞伎界の復活に挑むリーダー像にも。
「えんとつ町のプペル」は "挑戦" がテーマのストーリー。確かに家族の挑戦の姿がドキュメンタリーとしてそこにありました。

まとめ
 お値段も高そうだし、全く検討してなかったプペル歌舞伎。ところが観覧してみれば、こんな最高のお正月ってないじゃない!と心から楽しめました。伝統芸能っていくら崩しても素敵だなと。観た後では、全然お金払って見てみたいと思えます。
 振り返れば小学生の時に見た劇団四季のミュージカルでの感動は一生ものだった…。
ライブで得た感動は、何年も心に残るもの。それを考えればこどもに伝統芸能の美しさを伝えるチケット代は決して高価でもないはずです。

公演は今月20日(木曜日)まで。
わたしも子どもを連れてもう一回いけたらいいなあ。