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虫の知らせはけっこう頻繁に届いている
ある日、滅多に鳴らない電話が鳴った。
取引先の担当者からだった。
うれしいお知らせ
「妊娠して産休に入るので、そのお知らせに」
という彼女の声に、なんと!めでたい!と喜んだ。
数日後にコロナ禍に入って以来久々の顔を合わせてのミーティングがある、というタイミングで先に知らせてくれた。
お互いあけっぴろげなタイプではないし、年齢もだいぶ離れているから、すごくたくさん話した間柄ではないのだけれど、様々な業務を兼任する中でわたしのように数年変わらず付き合い続けた人間は少なかったらしい。
一足先にお知らせする枠に入れてもらえたことが、素直にうれしかった。
悩んだ末に
ひとしきり喜んだあと、はて、お祝いどうしよう?と考え始める。
出産前にお祝いっていいのかな?でもお知らせしてもらったしな。
あ、でもミーティングに参加する方の中にはまだ知らない方も来ているのかもしれない。
その中で渡すのもな…
渡すにしても何がいいんだろう。
好みがあるから形のあるものは難しいし、消え物でも妊婦さんだと食べられないものや食べちゃいけないものがあるだろうし…
ううううううううむむむむむ…
悩みに悩んで、一応これならというものを通販で購入したものの、当日まで迷いに迷い、踏ん切りがつかなくて結局持っていくのをやめた。
まさかの中身
ということがあって、わたしの手元に残ったプレゼント。
今回はわたしが食べるか…と、ギフト包装を解いていく。
この包装紙がピンとこなかったのも持って行かなかった理由のうちのひとつなんだよなぁ…
中身が見えるとFor you というシールが貼られたサンプル品が目に留まった。
ん?For youのyouはいったい誰ぞや?
そんなことを考えながら、商品を取り出していく。
「え!?」
続いて目に入った紙に思わず声を上げた。
いやそれ、わたし宛の納品書!!
いやいや、いやいやいやいや…
ギフト包装された箱の中になに綺麗に納まってるのよ。
ギフトなんだからそのままプレゼントするに決まってるのに。
あっっっぶなー…
危うく納品書ごと取引先の担当者の手にお渡しするところだった…
渡さなくて本当によかった。
あれね、For youのyouはきっとわたしね。
試してみてくださいってね。
せっかく妊婦さんでも安心して食べられるものを選んでも、意図しないものが追加で入っていたら意味ないじゃないか…
いやいやいやいや、なんのためのギフト包装なのか。
自分へのごほうびだと思ったのか…いやいやいやいや…
何か知らんけどひっかかる、どうもすんなり動けないということがある。
それはある意味、虫の知らせなんだろうなと思う。
今回もどうも持っていく気になれなかったのは、こういうことだったんだなぁと思い至りました。
で、この虫の知らせ、うまいこと聞いて生かせるとその聞き取りの精度が上がっていく気がする。
今回のことで、わたしの虫の知らせキャッチレベルはどれくらいアップしただろうか。
迷いに迷って持って行かなかったのをいいほうに評価してほしいところだ。