ビジネスで成果を出すデータ分析とは?
はじめに
転職面接などで「こんな分析をしました」などを話すと、よく聞かれるのが「その業務でどんな成果を出しましたか?」という質問。
ビジネスにおいて、成果を出すデータ分析とは何か?と考えてみる。
ビジネスにおける成果とは?
ビジネスの場面において、成果といったときには以下の2つに大きく分かれると思う。
売上を上げるもの
コストを削減するもの
1については、キャンペーンのROIが上がったとか、CVRが上がったとか、営業の新規獲得顧客が増加した、とかいう類のもの。
2については、ダッシュボードを作ることで数値確認が短時間でできるようになったとか、現場メンバーがSQLでデータを抽出できるようになって工数削減できたとか、が当てはまる。
では、データ分析でこれらを達成することは可能なのだろうか?
そもそもデータ分析を成果に直結させるのは難しい
私の個人的な意見としては、データ分析をビジネスにおいてわかりやすい成果に直結させるのは難しいと感じている。
理由は以下の2点。
間接部門であるから
データアナリストやデータエンジニアの業務は、どうしても間接部門のような立ち位置になることが多いし、
営業やマーケティングなどの現場寄りの部門からの依頼に対応することが多い。
したがって、依頼をもとにデータ抽出や分析をしたからといって、その示唆をもとに実際にアクションに移してもらえるかどうかは現場次第であるし、
そもそもの依頼の時点で観点がずれている依頼になっているケースも多い。
そのため、分析の数としては多くこなしていたとしても、それがどう売上に結びついているのかについては、はっきりと確認できないことも多い。
見る角度によって何が真実かは変わる
これまた個人的な意見ではあるが、そもそも分析というのは、わかりやすい一つの答えを導き出すためのものではないと思っている。
よくデータ分析は客観的な事実を明らかにするものと思われがちだが、私が思うにたったひとつの客観的な事実などというものはない。
例えば、「日本はいい国であるか?」という問いに対して、一つの真実を導き出すのは不可能である。
何を指標としてみるか、誰にとってのいい国であるか、などによって答えは変わるからである。
ビジネスにおける分析においてもこれは例外ではないと思っていて、
ちゃんと分析をしようと思えば思うほど、誰が見ても理解できる単純なひとつの真実に辿り着くということはない。
でもこのあたりがデータ分析を仕事にしている人と、それ以外の部門の人との間に生じがちなズレだと思っていて、
前者の人は「そうとも言えるけど、こうとも言える」みたいな多角的な視点を提供する場合が多い。
でも後者の人は、「これをすれば売上が上がる!」「このキャンペーンは成功である!」「この施策が伸びない原因はこれである!」みたいな分かりやすい回答を求めていることが多い。
それでもデータ分析で成果を出すためにやるべきこと
以上のように、データ分析をビジネスの場で言われる「成果」というものに繋げるのは結構難しい。
それでも成果を上げるデータ分析をするにはどうしたらいいのかを考えてみる。
課題や目的を明確に定義する
見る角度によって答えは変わる、と書いたが、言い方を変えれば、目的を明確にすればその回答を導き出すことはできるということでもあると思う。
「日本はいい国であるか?」というお題に対して答えを出すのは難しくても、「日本の過去5年間の失業率はどの程度か?」というお題には簡単に回答できるであろう。
だからデータ分析の依頼を受けたときは、
なぜその分析が必要なのか?
その分析をすることによってどういう状態にしたいのか?
具体的にどんなアクションプランがあるのか?
という点をまず明確にしておくとよい。
そうすることで依頼者側のふんわりとした課題に明確に答えることができるし、ビジネスの成果に繋げやすくなる。
ビジネスインパクトを考える
また、データ分析をする際には、その分析をすることによるビジネスインパクトを考えて優先順位を立てるとよいと思う。
ビジネスの場でデータ分析を仕事にしていると、日常的に多くの依頼が来ることになる。
その依頼すべてに全力投球していると時間も体力も持たなくなる。
なので、それをすることによるインパクトが強いものを優先的に対応した方がよい。
ダッシュボードをきれいに作っていくよりも、営業資料に注力した方がいい場合もあるだろうし、
実装することで売上に繋がりやすい機能についての分析を優先した方がよいだろう。
最後に
ここまで色々と書いたが、個人的にはやはりデータに関わる人間はあまり目先の結果にこだわりすぎない方がいいとは思う。
ビジネスの場にいると、どうしてもわかりやすくてシンプルな答えが求められるし、その方が目先の成果には繋がりやすい。
でもせっかくデータを扱うのであれば、多少”めんどくさい人”扱いされたとしても、色んな角度で物事を見れた方がいいし、現場の人があまり聞きたくない回答であっても伝えた方がいい場面もあると思う。
そのあたりはうまくバランスをとっていきたい。
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