忘れられない海外の絵本
子どものころから、私にとって絵本は身近な存在でした。誰もが知っている有名なタイトルも好きでしたが、強烈に記憶に残っているのは海外の絵本たち。どれも、なにか「引っかかり」を感じるものばかりでした。
いい意味での違和感、知らない世界への扉を開ける時のワクワクする気持ち。自分がいる場所や風景、積んできた経験とは全く違ったものが絵本の中にあったのです。そういう絵本に心ときめいていました。
今日は、私が幼少時代に読んで、今でも忘れられない絵本について書こうと思います。
『どうしてカはみみのそばでぶんぶんいうの?』(ヴェルナ・アールデマ ぶん/レオ・ディロン、ダイアン・ディロン え/やぎた よしこ やく/ほるぷ出版)
西アフリカの民話であるこの絵本は、私の好きな絵本ランキングで上位に入ってきます。幼少時代、自分がいた限定的な世界とは全く違う、未知の世界がページに広がっていたからなんだろうと思います。
あらすじ:1ぴきの「蚊」がついたある嘘により、次々と森の動物たちに異変が生じます。大陽を起こす役目を担っていたフクロウのお母さんは鳴かなくなり、森には朝が来ない。困った動物たちと王様ライオンは動物会議を開き、お母さんフクロウが太陽を起こすのをやめた理由を突き止めようとします。元をたどっていくとその原因は「蚊」だとわかり……。
好きなところ①:イグアナが耳に枝をつっこんで「めく、めく、めく」と歩いていくところ(そもそもイグアナの耳ってどこ……?)。当時は、イグアナなんて見たこともないし、「めく、めく、めく」と歩く動物なんて知らなかったので、とにかく想像するしかありませんでした……!
好きなところ②:表紙とラストにしか「人間」は出てこないのに、かなり重要な役を担っています。このようなストーリー構成に心を掴まれました。
好きなところ③:カラフルな色づかいと、読者に媚びていない動物たちの絵。それでいて、どこか愛嬌のある表情が素敵です。
絵本は、ページを開くと一瞬でその世界に入り込めます。海外からやってきた絵本たちは、特に、ページをめくった時の驚きとワクワクがあふれているように感じます。だから私は海外の絵本が好きなのかもしれません。
これからも、いろいろな国の絵本の世界を知り、絵本の旅を続けていきたいと思っています。
読んでいただき、ありがとうございました。次回もまた、海外の絵本を紹介したいと思います! どうぞよろしくお願いしますm(__)m