ホステルでライブ -Virtual Hostel Sound-
京都に行くときはつい泊まりで予定を立ててしまう。それはLenがあるから。今日は、これまで何度かお世話になったLenのお話を少し。
バーチャルになったホステル
Lenはたくさんの旅人が行き交うホステルであり、朝はモーニング、昼はランチ&カフェ、夜はバーになる。24時間いつでも誰かの息を感じる場所だ。いつもは。
4月5日から現在も、Lenは休業中である。宿泊も、カフェやバー営業もされていない。建物はもちろん変わらずそこにあるけど、いまあの場所には誰もいない。
確かにそこにある、けどない。そこに日常はない、けどある。なんだこの感覚は。バーチャルは"架空"と訳されたりするけど、それは"架空でありながら事実上はそこにあるような"という意味(だと思っている)。そう、Lenはバーチャルな存在になった。
ホステルでのライブ
Lenの1階のカフェスペースでは、これまで何度もライブが行われてきた。(私は2回しか参加したことはないけど、告知を見ては予定が合わないことを何度悔やんだことか。思えばLenを知ったのも、大好きなアーティストさんのライブ告知だった。)
きっとお客さんの中には、たまたま泊まりに来た日がライブだったという人もいるだろう。なんなら道路に面したガラス越しの(もしくは開放されていて)音に誘われてライブに参加したという人もいるだろう。開放感と一体感が入り交じる、心地よい空間だ。そしてそこには、演者とお客さんがいる。それがいつものLenのライブだ。
無観客ライブ
今月3週にわたって配信されているライブ、Virtual Hostel Sound.
これは3人のアーティストが週替わりで登場する。Lenで無観客ソロライブを開催・収録し、それを配信するというもの。収録したライブ映像の合間に、生配信でアーティスト本人のトークもある。
普段のライブは1階のカフェスペースで行われるが、今回は客室や屋上など普段は決してライブをしない場所で、ライブが行われ収録された。(普段は宿泊のお客さんがいる、ホステルだから。)客室でのライブは、そのアーティストの部屋のように見えてくる楽しさもあった。それでいてミュージックビデオを見ているような感覚もあった。
がしかし、1階のカフェスペースでのライブは、なんだか少し寂しかった。シャッターが閉まり、椅子が上げられた店内。「あ、休業中なんだ」と。(知ってた、知ってたけどさ。)
いまが詰め込まれたライブ
いや、なんか寂しい感じになってきてる…?違う!わたしが書きたいのはそういうことではなくて!
この**Virtual Hostel Sound **という企画、とても素敵だ。それぞれのアーティストの歌声や演奏はもちろんスーパー素敵なのだが、Lenってやっぱりカッコいい。カフェのハイテーブルのところのドライフラワーもかっちょいいし、宿泊客の共有スペースのところもいいんだよなぁ〜。(個人的には、ルームナンバーとかの表記が真鍮?で作られてるのに萌える。)見たことがなかった客室が見れるのも嬉しい。
誰もいないLenはまさにいまだけのLenで、だからこそできることがこの企画だったんだと思う。やってやろうじゃないかっていう心意気みたいなものを感じる。そしてそのカッコいい仕上がりを観て、してやられた!という感じ。いまが伝わってくる、まさに"ライブ"だ。
いつものLenを待っている
今回のこの配信企画のビジュアルイメージ、聞くところによるとホステルのスタッフさんがデザインされたとのこと。(ケンジさんすごい!)この絵、めっちゃ好き。重なったテープが建物のように見えてそこから灯りが溢れる様子は、もうLenそのもの。
来週、17日(日)は長谷川健一さんのライブが配信される。先週も今週もとっても素敵だったから否応なしに期待は高まる。きっとまた心地いい時間になるだろう、Lenにいる時のように。
◇Virtual Hostel Sound のTwitterアカウントはこちら
https://twitter.com/V_H_S_2020
◇LenのTwitterアカウントはこちら
https://twitter.com/Len_HOSTEL