“DIE WITH ZERO” 人生で一番大切なのは思い出をつくること… という考え方
【 余命宣告後の生活を題材にした映画3選 】
死ぬまでにしたい10のこと(2003年公開)
ガンで余命2~3ヵ月と宣告されたアン
死ぬまでにしたいこと10項目のリストを作る最高の人生の見つけ方(2007年公開)
“バケット(棺おけ)リスト”を作った価値観真逆の2人が
リストを実現させるため人生最後の旅に出るエンディングノート(2011年公開)
ガンの宣告を受けた父が“エンディングノート”を
残すまでの姿をつづったドキュメンタリー
※どれもいい映画です
中でも“最高の人生の見つけ方”は何回も観てしまいます
ジャック・ニコルソンの憎たらしさがかわいい!
【 「ヒトは死ぬ」という当たり前のことの認識 】
ヒトは生物であるので、生まれたからにはいずれ死を迎えます
「生命とは絶え間なく分解と合成を繰り返しながら一定の状態を
保とうとする動的な平衡状態にあるシステムである」
と福岡伸一先生は仰っています(生物と無生物のあいだ)
この動的平衡状態が崩れて分解が進みエントロピーが最大になる
“静的平衡状態”に達した時に生物は生命活動を終えます
このプロセスはどんな人にも等しく訪れます
ただその時期やきっかけはヒトそれぞれ異なり
必ずこうなると約束されたものはありません
いつ・どのように死を迎えるかわからないという不確実性が
太古の時代からヒトを不安にさせ悩ませてきました
その不安や悩みが「宗教」や「哲学」の世界を広げたのでしょう
前述の3本の映画の主人公達は個性的ではありますが
不真面目な人は一人もいません
誰しもが突然死の訪れを突き付けられます
その宣告に対して逡巡し抵抗し恨みます「なぜだ」と
そして残りの時間を意識せざるを得なくなります
【 5年生存率47%という数値 】
私は2021年10月に食道がんが発覚し11月から抗がん剤治療を開始
翌年1月中旬の手術前のインフォームド・コンセントで
ステージⅢの食道がん患者の手術後の5年生存率は47%と
担当医から説明を受けました
「半々かぁ、まぁそんなもんかぁ…」
と思い、悲観も楽観もしませんでした
“5年生存率47%という数値”は過去事例の平均値で
5年=1825日の47% ≒ 858日の余命が保証されている
ということではないわけです
個々に見ればそれ以下でもありそれ以上でもある
なるようにしかならないと理解しました
ただ、その時からあとどれくらい時間が残っているかを
かなり明確に意識するようにはなっていきました
【 心境の変化と生活の棚卸し 】
2022年1月末に退院してから3ヶ月間は毎月
血液検査、造影剤CT撮影、上部内視鏡撮影、心電図などの
検査をして2週間後に結果の診断を仰ぎます
4回目以降は3ヶ月毎、その後4ヶ月後になり、今は半年毎です
検査から次の検査までの待機期間がある意味私の余命です
「特に数値に問題はないですね」「CTも異状はないです」
「内視鏡の先生も問題ないとの診断です」
こう言ってもらえると次の検査までの半年は生き延びられます
もし検査結果で“再発”や“転移”と診断されれば状況にもよりますが
残りの時間は半年~1年くらいになるだろうと予想しています
「検査結果が悪いと聞かされたらそこそこ落ち込むよなぁ…」
映画のようにやりたいことリスト作って実行しようとしても
そんな気力なんか湧かないんじゃないか
何かやるならそうなる前だなとの考えに至って
今年3月末で仕事から引退・退職
年金を受給する前提で家計の入りと出をシミュレーション
不動産は残せるし、息子も一人立ちしているので
そんなに現預金を残さなくても大丈夫だろうと
流動資産はやりたいことに使おうと家内と決めました
【 残りの時間を何に使うか 】
これを家内と話し始めたら結構楽しい!
それぞれがやりたいこと、2人でやりたいことを
まずリストアップ
1. 旅行したいところをリストアップして優先順位を決める
→私の体力が持つところ、費用、どうしても行ってみたい
旅行先でやりたいことは何?
2. 普段はそれぞれやりたいことをやる
3. 家事は分担:私の役割 = 夕食作りと片付け、洗濯物干しと取込み
部屋の掃除(ほぼルンバがやりますが)、トイレ・風呂掃除・ゴミ出し
近所のスーパーで食材の買物etc
【 旅行について 】
旅行は特に趣味ではありませんでした
国内旅行は年に1回程度、主に温泉地ですね
温泉に浸かって地場のお料理とお酒を頂いてという感じです
外国旅行は新婚旅行の南欧を除けば、香港、台湾、シンガポール、タイと
主に東南アジアで、イタリアが2回、コロナ禍で延期していたベトナムに
先日行ってきました
特に2回目のイタリアはフィレンツェを主体に、ラ・スペツィアから
チンクエ・テッレを鉄道を使って回って、街歩きがとても楽しかった
ベトナム(ハノイ)も観光地にはあまり行かず旧市街とホアンキエム湖の
周りの繁華街で雑貨店などの店回りとカフェや食事にスパを堪能しました
このパターンをほかの国でもやりたいと家内と意見が一致して
まずは台湾、次はフィンランドかデンマークなどとYouTube見ながら
行き先を話し合っています
【 健康は金より重い 】
2022年1月13日の食道亜全摘手術後から3日間“ICU”に入っていました
体中に胸水を抜くチューブ、排尿用のドレーン、酸素マスクのチューブ
麻酔薬注入用のチューブ、心電図を取る配線、点滴用のチューブと
全身チューブだらけ
切除部の鈍痛、内臓が移動している痛み、もともとあった腰痛など
諸々痛いのですが体を動かすことがまったくできない
2日目にゆっくりと寝返りを打てた時に「寝返りを打てる幸せ」
を感じました
動けるうちが花、寝たきりになったら何もできない
心底そう思いました
全身痛かったですがリハビリを必死でやりました
【 残りの人生は経験に使おう 】
このような経験を経て、残りの時間を考えるようになり
「残りの人生はこれまでしてこなかった経験に使おう」
と家内と話し合って決めました
一緒にやることは『旅行』、それ以外はそれぞれの趣味を
そのためにお互いに時間をコントロールして
生活空間の維持のために家事は分担し
必要なお金は手持ちの資産を明確にしておくことで
コストオーバーにならないようにお金の入りと出を管理
時間を頂けている間にお金を経験に変えていこうということです
まぁうまくいくか否かは今後の結果次第ですが
ではまた!