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難聴記録① 連続イタズラ電話?お客様を怒らせた日
20年程前のお話。
詳細は色々忘れ始めておりますが、覚えている限りのあの日をnoteにーー。
いつもと同じ日…のはずだった
都内某所。勤務先であるダンススタジオの朝は、いつもと変わらず静かに始まりました。
かけだしの見習いインストラクター。
スタジオは夜遅くまで営業するけれど、私の朝は結構早い。
まぁ、ダンスの練習をしなければ上手くはならないし、一人前に稼げるわけでもないので、努力が必要なのは当然ですね。
フロアのお掃除をしてダンスの自主練をする。お昼ご飯を食べたら、スタジオの営業開始の準備を。
(今日、最初にいらっしゃるお客様は誰だっけ?予約表を確認しないと!)
昨日と変わらない日のはずでした。
それが一変したのは、スタジオが動き出した後のこと。
何度も鳴り響く着信音
受付にいた私。鳴り響く電話の着信音。
「お電話ありがとうございます!ダンススタジオ◯◯◯です♪」
お客様からのレッスン予約変更かと思いきや、相手は…無言。
相手:「・・・・・・」
私:「もしもし?もしもーし?」
相手:「・・・・・・」
ん?イタズラ電話かね?そう思って電話を切った私。
数十秒後にまた着信音。電話に出るも相手はやっぱり無言。
(何これ、怖い…!)そう思いながら電話を切る私。
スタッフもフロアにいるお客様も、異変に気付いてこちらを見ていました。
直後に鳴り響く電話着信音。
(一体何なの?!)
パニック気味の私に代わり、別のスタッフが電話を取ってくれました。
スタッフ:「お電話ありがとうござい………えっ!!申し訳ありません…!!」
お電話はお客様からでした。
「話しているのに、なぜ切るの!!」とご立腹だったそうです。
左耳の異変
その時になって、ようやく気付きました。私は右利きなので、電話は左手で受ける癖があります。でも、その日、左耳ではお客様の声がほとんど聞こえていなかったのです。試しに右耳で聞いたら、普通に聞こえる…。
(…左耳が聞こえない!?)
頭が真っ白になりました。周りの皆さんに促されるまま、私は近くの耳鼻科に駆け込みました。
告げられた「入院」の言葉
診断結果は「耳管が詰まっていて聞こえにくい」という軽いものでした。
でも不安が消えず、別の病院でセカンドオピニオンを受けました。そこで告げられたのは、全く違う診断結果。
「突発性難聴の疑いがあります。すぐに入院治療が必要になるので…」
先生の言葉が、私の頭を混乱させました。
音楽と共にある仕事なのに難聴?しかも入院!?冗談でしょう??
私の頭にあったのは一つだけ。「プロ競技会」が迫っていたのです。ダンスの大会。しかも相手がいる社交ダンス。私一人の問題ではない…!どうしよう。どうしよう…!!
この時の私はまだ、自分の聴力を失うなんて現実感がありませんでした。耳よりも、ダンスの心配ばかりしていたのです。
あの日の私に伝えたい
気付いて。「自分は大丈夫」という根拠のない自信。それが、どれだけ危ういものだったか。
「当たり前」はひとつも存在しなくて、全ては「幸運な事」なんだよ。
身体や心の叫びを無視してはダメなんだよ。
実は、あの頃の私は、無理なダイエットの真っ最中でした。
「もっと上手く、綺麗に踊りたい」「痩せなきゃ」という思いが先行して、体が発していたSOSを無視していたのです。
睡眠時間も4時間に満たないような生活でした。
過去の私。君は何者になりたかったの?何のために踊っていたの?それを実現させるために、何をしなければならなかったの?
今だから思う事
・何をするにしても「自分の体」や「心」が資本。
・自分をおろそかにしては、何も叶えられない。
当たり前だよ!って思うけれど、これが結構難しい…。周りの状況や誘惑に負けることなく実行するのは、実は簡単じゃない。
この先、同じ間違いをしないようにしたい。
…と言いつつ、実は似たような過ちをもう一度繰り返してしまうのですが、その話はまた別の機会に…!
私の体験談・備忘録を、最後まで読んでくださりありがとうございます!
またお時間あるときに、読みに来てくださると嬉しいです★