ナナメの関係を選ぶ
先週木曜日は、2018年の前期最後のカフェゼミの日だった。大手クラウドファンディングサイトを運営するReadyforさんとコラボレーションし、オフィスの隣のスペースで開催した。
今回は、NPOカタリバで代表をつとめる今村亮さんにお越しいただき、「ナナメの関係」が作る対話の場について、Keynoteスピーチをいただいた。
わたしにとって「ナナメの関係」はかなりホットなテーマだ。というのも、今年3月までインターンしていたNPO法人キッズドアの「リファインド」という拠点で、高校生と実際に「ナナメの関係」を築き、コミュニケーションを実践していたから。リファインドで、生徒の視座から、ななめに関わるお姉さんの視座に変えてもらった気がする。
ナナメのお姉さんでいるのが難しい
でも最近、ななめのお姉さんの立場でいるのって、すごく難しいなと感じる。今年、ゼミには後輩がたくさん入ってきた。わたしはゼミ3年目で、半分チューターみたいな立場なので、ゼミの後輩の話を聞くことが多い。
2週間くらいまえ、ランチを食べながら相談にのった女の子がいた。その子はゼミの後輩ではないが、彼女は疲れが溜まっているらしく、ものごとの優先順位をつけられずにいた。相手の頭のなかに意識を向けて、やっていることを紙に書いて可視化すると、彼女はたちまち自分で「何が必要で、何がいらないか」を判断した。帰っていく彼女は、来たときよりもすっきりした顔をしていて、わたしは彼女が満足げに帰っていったことが嬉しかった。
一方で、自分自身にはどっぷりと疲れが溜まっていた。自分の意見を交えず、相手の意見をそのまま聞くのが本当に難しかった。信頼関係が十分にできていないまま無責任な意見を言い放ったり、きまぐれなジャッジをしたりすることが、相手の心を閉ざしてしまう。だから、自分の意見を交えずに話を聞いたのだが、かなり疲弊してしまった。
「ナナメの関係」の「ななめのお姉さん・お兄さん」の立場をうまくやれるひとのメンタルって半端なく強靭なんじゃないか。聞くというのは嫌いではないけど、聞いてばかりだとストレスで発狂しそうになる。
アイデンティティを変容させ、関係性を選んでいく
今村さんはセッションのなかで、「最近親になり、こどもに対してナナメのコミュニケーションで接したくなることもあるけど、それではダメなのかもしれない」と、迷いを吐露していた。こどものために、叱るところは叱るべきではないか?という意見。「ナナメの関係」から「タテの関係」へアイデンティティの変容が起こっているらしい。一方でわたしは、「こども・生徒」から最近「ななめのお姉さん」の視座にたてるようになった。こども・生徒」のときと、見える景色が違うので「ななめのお姉さん」は楽しい。でも、ずっとななめのお姉さんでいるのはしんどいときもある。アイデンティティを、場面や自分の状態によって選べたらいい。
関係性を選んでいこう。ナナメの関係も、タテの関係も、ヨコの関係も。状況に応じて、選ぶことができたらいい。
(愛のあるナナメの関係をあらわした手作り名札。かわいい🐻)
おわり