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なぜ、自宅出産を選択したか?

前々回に、なぜ自宅出産を選択したかについて、要点をまとめました。
今回は私たちの事情なども踏まえて、なぜこのような選択をしたのかについて細かく記載していこうと思います。

きっかけは、第一子の産後に起きたトラブル

私は第一子を産むまでは、もう本当に順調すぎるくらい順調な妊婦生活を送っていました。体重は10kg増で収まっていたし、つわりもそこそこ、痛いといえば軽い腰痛くらいなもので、本当に順調な妊娠期間でした。

出産に至るまでの陣痛も、ソフロロジーの呼吸法でそこまでの痛みもなく、分娩の時もそんなに痛みを感じなかったのです。
本当にラクで幸せなお産でした。

しかし、お産の直後から私の人生は一変しました・・・・。。

「恥骨結合離開」知ってますか?

産後、母子の無事を確認しドクターから処置を終えてもらった後、助産師さんから「すぐそこのエレベーターまで歩いてね」と言われ、何気なく分娩台を降りたその瞬間。

「ビキッ」
と、これまでの人生で感じたことのない激痛が!

もう、陣痛なんてどころの話ではなく
恥骨が痛すぎて痛すぎて歩けない。一歩踏み出すごとに、背筋を雷で打たれたような激痛が走ります。

ですが、助産師さんからは「なんとか歩いて!」と言われて、泣きそうになりながら歩きました。

後から知りましたが、私は「恥骨結合離開」という状態になっていたらしいのです。そもそもお産で「恥骨結合離開」を起こすケースはかなり稀だそうで、第一子を出産したクリニックでは私ほどの重症になった産婦さんは今まで居なかったのだとか。

その予後は・・・

かなり壮絶でした。。
なにせ、産院の入院中は冷や汗をダラダラ流しながら移動する状態。産後は歩いた方がいいと病院の方に言われ、かなり苦しい思いをしながら歩いた。
(車椅子が必要だったら言ってね、と言われた気もするけど、多分持ち前のスポ根と産後ハイが発揮されてしまって無理をしてしまったのだと思う。)夫が介護用の4つ足の杖を買ってきてくれたので、それを両方の手に携えつつ一歩一歩踏み締めるようにして歩いた記憶があります。

また、ベッドに乗るのも降りるのも一苦労(というか激痛無くしては動けない)のため、産まれたての赤ちゃんをお世話する…なんて、全く出来ませんでした。。
産んですぐに息子を看護師さんと助産師さんに預けて、私は体力回復に勤しむのみ。

今考えると母子同室の選択肢すら無いなんて、かなり悲しい出来事ですが、
当時は悲しさより何よりも、足を少し動かすだけで激痛が走り、5歩先のトイレに行くにも闘いでした(尿瓶は何としてでも回避したかった)ので、
新生児のお世話をする余裕なんて、全くありませんでした。

そして私が産んだ産院では、ヘッドスパやフットマッサージもあったのだけど
その体勢を取るのが辛くて、泣く泣くキャンセルになったという悲しい出来事も。。。

⏫こういうタイプのものを2本買ってきて、恥骨の負荷を軽減させてました。

さて、5日間の産院での入院を経て、
帰宅するまでの間も大変。

なにせ両足骨折した人のような状態なもので、産院から出るときも、車に乗り込むのも、恥骨が痛すぎて痛すぎて・・・。
普段なら5分とかからない産院から車までの距離を20分かけて歩き、車へは10分程度かけてゆっくり乗り込む。

帰宅してからは、家の中での歩行は杖をついて歩くのだけど
痛すぎてトイレに立つのも一苦労。もちろん、外出時は車椅子。

そして産後は「悪露」と呼ばれる出血がしばらく続くのだけど、その悪露の処理をしようにも全てにおいて激痛すぎて、なかなかトイレに行けない。。

家のトイレはリビングに急遽設置した私のベッドから歩いて2秒のところにあるのに、
ベッドから立ち、トイレへ向かい、トイレに座るという何気ない動作をするだけで10分かかる。そして動作をするたびに伴う激痛。。

結果、お股は不衛生な状態になってしまって、膀胱炎やらひどい掻痒感(涙が出るほどかゆくて眠れない)に悩まされました。

少なくとも産後1ヶ月は、両杖ついて歩いていたし、車椅子フル活用していたな。
産後2ヶ月して、ようやく痛みがちょっとマシになってきた(だけど車椅子の)頃から整形外科に行ったけれど、その時撮ったレントゲンでは恥骨は元に戻っていたようです。

整形外科での話によると、痛みの原因は、産後恥骨結合離開後に無理に動かしてしまったので、靭帯が傷ついたのでは?とのこと。


あの痛みは、二度とゴメン。。

ちなみにですが、2人目の出産間近な現在、
恥骨はかなり痛いです
(苦笑)。

どのくらいの痛みかというと、赤ちゃんが降りてくると「ぐえっ」と激痛が走って5分ほど一歩も歩けなくなるくらいに・・・です笑。

そんな地獄のような苦しい思いをしたおかげで(?)次のお産では、二度と恥骨結合離開なんてしない!と心に決めていました。

ただ一方で、2人目のお産の時には、ホルモンの関係もあり、やはり一度伸び切ってしまった靭帯だったり恥骨に負荷がかかるので、できるだけ負荷のかからないお産方法がいいなと思って、いろいろ情報収集をしていました。

「分娩台に乗らないお産」が良いと知って。

恥骨結合に負荷をかけずに産むにはどうすれば良いか模索する中で知ったのが「分娩台に乗らないお産」です。

この方法は助産師さんより聞いたのですが、
実は分娩時に骨盤が開くのは恥骨結合だけでなく、他の2ヶ所の結合(名前失念)も緩んで開くことで赤ちゃんが頭を出せるようになるそう。

ただ、分娩台に乗る体勢だと、どうしても恥骨結合のみが開きやすくなってしまう(つまり、私の場合だと再度恥骨結合離開のリスクが高まる)とのこと。

そこでオススメされたのが、分娩台に乗らずに四つん這いで出産する方法です。

しかしながら、これ(フリースタイル分娩)が出来る産院って全然無いんですよねぇ。。。
なぜなら分娩台に乗ってもらった方が、医療従事者にとってはラク(らしい)のです。何せ「丸見え」だし、フットペダルで産婦の体勢を自在に変えられるので介助者にとっては辛い体勢を取らずとも赤ちゃんを取り上げやすい(らしい)ですから。
ドクターも産後の処置をしやすいですしね。

これは余談ですが、助産師さんでも、四つん這いでの出産に対応できないという方は多いそうです。
主な実習先となる大きな病院は、ほとんど分娩台での出産ですし、四つ這いでの出産は、その知見が無いと安全に赤ちゃんを取り上げられないからだそう。

でも、言われてみればそうですよね。
分娩台に乗るお産は、産婦の体勢が変わらないため経過が見やすいけれど、フリースタイル分娩の場合は産婦が動けるゆえに、赤ちゃんを生まれてくる方向にうまく誘導したり、取り上げたりといった介助がなかなかしづらいですから。。

そういった意味でも、自宅出産専門の助産師さんはフリースタイル(四つ這い)分娩が可能と伺ったので、それならぜひ!とお願いした次第です。

そして自宅出産であれば、万が一産後に恥骨結合離開が起こったとしても、産院の病床のようにトイレからベッドが遠いなんてことはないし、ひどい状態であれば子供用のオマルで用を足すことも出来るし、自宅の間取りと体の状態を勘案した上で助産師さんからアドバイスを得られるし・・・と、私の自由度が高く、オーダーメイド感が強いので産後を快適に過ごすことができそうだと考えました。

上の子がいる中での出産(wコロナ禍)

ここまでは恥骨結合離開が原因で、自宅出産を選択したように書いてきましたが、それ以外にも細々理由があったりします。

その中のひとつが、上の子がいる中での出産です。

私は関東圏に住んでいますが、今は新型コロナウィルスが猛威を奮っているため、医療の乏しい田舎に住む両親には頼れない状況。もちろん里帰り出産なんてできません。(両親曰く、親族が危篤であっても都会からの帰省は、近隣住民から白い目で見られる(いわゆる村八分にされる)ため、親族の死に目にすら会えない状況らしい。)

なので、核家族で産後を乗り切る選択肢しか我が家に無かったわけですが、そうなると2歳の上の子をどうするか?という問題が発生します。

クリニックでは「子連れ入院」を許可してくれる産院もあるのですが、それもコロナ禍のためにことごとくNG。そしてファミリーサポートやご近所さんを頼ろうにも、風邪症状があればサポートが出来ない等の制約があり、なかなか難しいという背景があります。

そのため、もし産気づいた時に夫がいなくとも、上の子が家に居られるという環境があればやっぱり安心です。何と言っても、子どもの預け先を思案しなくとも良いわけですから。

そして、子どももまだ2歳。赤ちゃんが産まれるということは、これから自分にどういうことが起こるのか想像すら出来ないはず。たとえ前々から話をしていたとしても、「ある時突然母がいなくなった!」とか「知らない人に預けられて、どうなるんだろう」いう不安感やショックを感じずに済むのも良いのかなと思っています。

やっぱり、立ち会い出産がしたい。

最後はこれです。
立ち会い出産がしたかった。

今はコロナ禍のために、夫と子どもの立ち会い出産はかなり制限がされています。
例えば、出産前2週間の体温提出を求められたり、PCR検査の実施が必要だったり。感染拡大のタイミングであれば、直前まで立ち会いOKとしていたとしてもいざ出産のタイミングではNGになることも往々にしてあります。

特に、子どもの立ち会いができる産院って、ほとんど無いのでは・・・?
幼児にPCR検査はかなり難しいし(たくさん唾液を採取することがそもそも無理)ワクチン接種だって制限されているし、2歳の子どもは基本的にはマスクNGなのでコロナに関わらずいろんなウィルスを持ち込んでくるわけなので。

自宅出産であれば、家族全員が発熱のない限り、夫と子どもの立ち会いはOKなのでこれも私にとってはプラスに働きました。

夫がいるのもとても心強いですし、
子どもにとっては出産の経過がわかるわけですから。

だって、2歳の子どもになって、想像してみてください。
母親がいつも通りの母じゃなくなり切羽詰まった様子になって不安なところに、バタバタといなくなって(産院に入院して)5日間も母親が帰ってこなくなるんです。
そして、突然帰って来てホッと一安心と思ったら、大事そうに赤ちゃんを抱えている。。あれ・・・ボクの居場所は・・・??
ってならないでしょうか?

2歳の子どもでは、親がいくら話を聞かせたとしても、想像が出来ないはず。
そうなるのなら、赤ちゃんがどのようにして産まれてくるのか本人(子ども)にも体感してもらった方が分かりやすいし、当事者意識も芽生えるかなと。

そんなわけで、私は今回自宅出産を選択するに至りました。

もちろん、分娩には命の危険がつきもの

ということも、理解しています。
(というか夫婦ともに当初は恐怖感が強く、ギリギリまで医療機関での分娩を模索していました。)

ですが、緊急時の対応方法について助産師さんと綿密に話し合い、かかりつけ産院までのアクセスなどを勘案した結果、
自宅出産を選択した上で、医療介入が必要であれば即座に医療的処置を受けられるという安心感から、この方法を選択するに至りました。

まずは、母子ともに健康でいられるよう、出産までの残りひと月を頑張ります。

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