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出生前診断 - NIPTを受ける①-
出産予定の産婦人科での健診2回目。
エコーを見た瞬間、先生が
「NIPTはいつ予約入っているっけ」
とNIPTの予約日を確認していた。
そしてしばらくエコーを見ているとちょっと赤ちゃんが全体的に浮腫んでいるとの指摘。
その時の私は能天気なものでそこまで真剣に受け止めていなかった。
しかし先生との会話の中で少しずつ、
これは何かあるんだ…
と感じた。
先生は、
「NT(首の後ろの浮腫み)があっても元気な赤ちゃんを産んでいる人もいるから、こればっかりはちゃんと検査しないとわからないんだよね~
気になっちゃうよね、わかるよ~」
と私の気持ちに寄り添いながら説明をしてくれた。
診察後すぐに夫に連絡し、
自分でもすぐに検索魔になる。
妊娠してほっとして、悪阻もきつくなってきている中
不安でたまらなくなった。
浮腫みって、どれくらい深刻なんだろうか…
ちょうどその健診の後、学生時代からの子どもがいる友人達とランチをした。
誕生日が近くだったのでお祝いをしてもらい、
友人のひとりは2人目を妊娠中だったのでベビーの誕生が楽しみだねとみんなで幸せな気持ちを分かち合った。
その友人はNIPTを受けていた。
私が健診で指摘されたことを伝えると、
「大丈夫大丈夫!絶対何もないよ!!」
と元気づけてくれた。
たまたま、NIPTの実施日はその健診の日の翌日だった。
翌日夫と一緒に病院に行き、まずはカウンセリングを受ける。
認定を受けた先生が、教科書的な説明をしてくださる。
そしてカウンセリングを受けた後、
NIPTを受けるかどうかの意思確認がなされた。
私も夫も、昨日の健診で指摘されている手前、
NIPTを受けることに合意した。
浮腫みについて、こちらも不安でたまらなくなっているので色々聞いてみる。
「なんとも言えないけれど、浮腫んでいるのは事実だから」
との返事だった。
文字にすると冷たいように聞こえてしまうが、
その時の私は医師から見て楽観視はできない状況なんだな、、と思ってしまった。
そしてNIPTの検査のための採血を行う。
採血の前に、NIPTを受けることへの合意書のようなものにサインをする。
NIPTを受ける事由としていくつか選択肢があり、
医師により既に選択されている。私はサインをするだけ。
私の場合、その事由が
「高齢出産」
に加えて、
「エコー診断で異所所見あり」
というものにもチェックがされていた。
「異所所見なんだ・・・・」
その事実を血を抜き取られながらぼんやり受け止めようとする。
そして、エコーで身体全体が薄い膜に覆われているような赤ちゃんを見て、
染色体もしくは循環器系に何かしら問題があるんだろうな…
と直感的に思った。
さもなくば、こんな小さい時期に身体が浮腫んだりしない、
そういうことなんだろう。
染色体ではなく、手術で治るような病気だったらいいな…、
と正直思っている自分がいた。
でも、エコーで会う赤ちゃんは
とても、とても元気に動いていた。
生命力が伝わってきた。
今の息子の時となんら変わりはないように見えた。
浮腫みを除いて…
夫はNTについてすごく調べていたし、
エコー写真で自分で測ったりもしていた。
後から知ったけど、色んなブログを読み漁って、
NTを指摘されたけど
結果的に何もなかったケース
にとてもすがっていたそうだ。
私も一気に気持ちが不安定になった。
そして私も色々ネットで調べていたが、
欲しい情報はあまりなかったし、
死産になった場合の
出産方法や、棺やら洋服やら火葬やら骨壺やら、
今までいた世界と真逆の情報が入ってきた時
もう辛くて辛くて、冷静に検索を続けることができなかった。
わけがわからなかった。
何を調べていいのかわからないし、
何を信じたらいいのかわからないし、
どうしたらいいのか、全然わからなかった。
検査結果が出るまで2週間。
どうやって過ごしたかもあまり覚えていないが、
普段通り仕事をして、息子の世話をして過ごしていたように思う。
頭の中がぐるぐるして私の気持ちが落ちていってしまうのを、
息子は何も知らずに無垢な笑顔で支えた。
いつも変わらない笑顔。
いつも変わらない甘えん坊。
彼にどれだけ支えられたか。
ただ時々ひとりになると、勝手に涙が流れた。
号泣するときもあったし、
ヨガをしながらポロポロないて1時間くらい動けなくなってしまった時もあった。
泣いている理由はもうよくわからなくて、
ただただ、ただただ、悲しかった。
良く言う、
なんで私が?!
という感情はあまりなかった。
確率の問題だから、
ああ、当たってしまったんだな、と。
そこに関してはフラットでいられた。
続く