こだわり
「北海道か!」確かに北海道は一番大きいピースで両手を広げたくらい大きい1ピース。
これは巨大な日本地図パズルとA君のお話です。
どれだけ大きいパズルかというと、畳一畳分くらい。発泡スチロールでできていて、プールに浮かびそう。でも浮かべたら淡路島とか小さなピースはなくなってしまいそう、そんな巨大パズルです。
A君はパズルが大好き。というか得意。何かがぴたっとはまる感覚がどうやら好きみたい。自動ドアもぴたっと完全に閉まるまで見届ける。筆箱の位置も机の右上縦に置く。ランドセルに教科書を入れるときも、ケーキが入った箱を冷蔵庫の棚にそっと置くような。見ていて「ほぅー!」と感心しつつ、興味深くA君の表情と動作を見て私は楽しんでいる。
そんなA君の好きな物をもっと発見しようということで、日本地図のパズルを差し出したらとても気に入った。最後にはめるのはいつも「大阪」
A君が大阪に住んでいることを認識しているかどうかは謎なのですが、いつも大阪を最後にはめて完成。いつも両端を盆栽を眺めるお祖父さんのように自分の目線にパズル角をじっくり眺め、そして満足したのか素知らぬ顔で次のパズルをあさりにいく。
巨大日本地図パズルが夏頃届いていたことを思い出し、暇そうなA君の前に置いてみる。目が確かにニヤッとした。このパズルは全くのヒントなしで難しい。これもまさか大阪を最後に入れるのかな?と思いながら観察していると、一番初めに「北海道」のピースを外し手前に置く。なんだかキープしているようだ。そして20分くらいかけて完成に近づいてきた。さぁ最後は?やはり「北海道」だった。本人の顔はいたって無表情でクール。なのでA君がその場を離れた隙に、大阪のピースを外してみる。するとそれに気付いたA君はそそくさと戻り、なんと「北海道」を外してから、大阪をはめた。衝撃的な場面だ。そして最後に北海道をはめる。完成するとまたどこかへ行くので、今度は香川県を外してみた。それに気付いたA君は、さささと戻りは北海道をわざわざ外し、香川県をはめてから、また北海道をはめてフィニッシュ。面白すぎた。
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