ありがとうの日
今日はたしかハッピーハロウィンの日です。ハッピーな日であったので、正確に言うとハッピーなハロウィンの日です。
1年生のクラスでの出来事。あれは算数の時間。ある女の子が私を呼び「ここの紐を置いてきてしまった!」フードの紐が抜けて運動場のどこかに置いてきてしまったらしい。焦ったその子に「授業が終わってから、先生が見てくるわ」と伝えた。
チャイムが鳴って給食の準備の時間、その子に「どこで落としたか教えて」と聞くと、どうやらもう一人の子にフードから抜けた紐を預けたらしい。そしてその子に聞きに行くと、紐を預かった子はハッとした表情で「こっち!」と運動場の方にかけていった。でも上履きなので、運動場は歩けない。なので私が取りに行った。すると登り棒の辺りに砂が少し付いた紐がちゃんと落ちていた。
そして2人目の子(紐を預かったのに置き忘れた子)が待ちきれなくなったのか、上履きのまま私の方に駆け寄り、紐を取って持ち主のところに走って行った。「ありがとう」が言えない子なんだと思った。
紐の持ち主の子は紐を取り戻せて嬉しそう。「なんて言うのかな?」と尋ねると「ありがとう」が言えた。1年生にとって「ごめんね」「ありがとう」はいろんな場面で練習する言葉だ。わたしはミッションクリアしたので、職員室に戻ろうと廊下を歩いていた。すると2人目の女の子(紐を任された子、私から紐をそそくさと取った子)が私の後ろを歩いている。
「あら、どうしたん?」と聞くとニコッとしているが何も言わない。「なんかあるねんな」と言って私もそれ以上聞かなかった。すると「ありがとうございました」とかわいい声が聞こえた。わざわざ追いかけて、あの時言えなかった言葉を伝えてくれた。私はすごく嬉しかったので、その子とハイタッチした。
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