映画「ミセスハリスパリに行く」のネタバレレビュー
ネットフリックスで映画「ミセス・ハリスパリへ行く」を見ました。
2022年公開の映画です。
ディオールのドレスにトキメいた家政婦さんが
自分のドレスをゲットするため奮闘します。
その過程でのMrsハリスと人々とのふれあいを描いた物語です。
「ドレス」好きな方なら一見の価値あり。
高級仕立服オートクチュールの話ですから。
「一着の服で人生が変わる」ってあると思うのです。
衣装デザインは映画「クルエラ」でアカデミー賞を受賞した
ジェニー・ビーヴァン。
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以下ネタバレストーリー
1950年代ロンドン、通いのお手伝いさんをしながら生計を立てつつましく暮らすMrsハリス。ご主人は先の戦争で亡くなった。ある日仕事先のお金持ちの家のクローゼットでディオールのドレスに出会い心奪われる。その美しいドレスへのうっとりが物語の始まり。
なんて美しい!
ディオールのドレスを自分も手にしたい!
その抑えられない気持ちがMrsハリスを駆り立てる。
なんとかお金をつくって飛行機に乗り込みパリのディオールへ
ロンドンの通いお手伝いさんが、お金を貯めて
ドレスを買いに来た!という噂がディオールで働くモデルやお針子さん達に一気に広まる。どんな人どんな人?と皆興味津々。
Mrsハリスはショーで心奪われた赤いドレス「temptation誘惑」をオーダー。ところがそれは先客がいてダメだという。
二番目に気に入った緑のドレス「ビーナス」を注文した。
パリのディオールが既製服店だと思いこんでいたMrsハリス。
並ぶドレスの中から選んで包んでもらって、日帰りでロンドンに帰るつもりだった。パリでの滞在費も持ってない!このまま帰るしかないの?
ディオールのドレスは採寸から始め、何度も仮縫いを経て仕立てるので普通は完成まで二週間掛かる。
がっくりうなだれてたところに、ディオールの会計士フォーベルくんが
「丁度同居してる妹が旅行に出てるから、部屋が空いてます。
うちで良ければ、、」天使か!
ドレスは超特急の一週間で作ってもらえる事になる。
Mrsハリスはその期間、パリの花市場を散策したりしながら楽しい時間を過ごす。お花を介した男友達もできた。
ディオールの看板モデルにナターシャという美女がいた。
このナターシャがMrsハリスと仲良くなったことで、
ナターシャと会計士フォーベルくんは結婚する運びに。
Mrsハリスは二人にとっての縁結びの「天使」になった。
ディオールの店で働くバリキャリの切れ者女性マネージャーも
Mrsハリスに影響を受けて人生の流れを変えていく。
Mrsハリスはなんとディオールの店の内部の労働問題にまで
新しい道をつけ店の方向性にまで影響を及ぼす。上流階級の高級服に留まらず、もっと広い層へ美を届けるべきだという提案をする。なんだかんだで皆に感謝され完成した緑のドレスを手にロンドンに送り出された。
Mrsハリスが家に帰ると、客の一人で女優志望の若い女の子が愚痴りに来てた。「今日、有名プロデューサーとディナーなのに着ていく服がない。あのプロデューサーは連れて歩く子の服にはものすごく厳しい。せっかくのチャンスなのに」と嘆く。
「私のドレス貸してあげる」
「は?」
パリの暖かい思い出で良い気分過ぎたMrsハリスは、躊躇いなく緑のドレスを彼女に貸した。Mrsハリスは仕事の家事労働で全然贅肉がなく、その若い女優とは服のサイズがほぼ同じだった。
翌日、、Mrsハリスが彼女の部屋を掃除しに行くと、
何この匂い?焦げくさい、、
窓開けなきゃとカーテン開ける。明るくなった部屋には、、
えええええ~!!!
緑のドレスの真ん中が焼け焦げてる!!
彼女からの置手紙があった。
「ドレスごめんなさい。化粧直しの時、足元にあったヒーターに気が付かなくてドレスに燃え移っちゃった。危うく死ぬとこだった。ママの家にいってくるね。」
がーん!
Mrsハリスはその子の部屋の郵便受けに鍵を放り込み扉を閉めた。これはMrsハリスの「あんたの部屋はもう掃除しないから、連絡してくるな」のサイン。客を見限った時こうする。
Mrsハリスはロンドンの川に緑のドレスを放り投げた。
自宅のベットに潜る。誰の電話もとらない。ノックの音も全無視。「死んでしまいたい」気分で引き籠った。
Mrsハリスがあまりにも出てこないので、ついに親友が窓ガラスをぶち破って入ってきてくれた。あんた部屋で独り死んでるんじゃないの!って。暖かい友達。「やるだけやったんだし、身分不相応な夢はもう置いといて、地道に生きようよ~」
仕事を再開するMrsハリス。だけどもう同じ気持ちでは働けない。
パリに行く前の自分とはもうあれもこれも違ってた。
そんな中パリから届いた大きな箱。
開けてみると「temptation」の赤いドレス!なんで?!
これはMrsハリスが一番欲しかったドレス。
ドレスについてた手紙によると、赤いドレスを注文した侯爵夫人に経済的なトラブルが起こったという。あれやこれやの理由で、これをMrsハリスに贈ろうという事になったと。サイズに関してはあなたお直しの腕があるはずだからご自分で調整お願いね、と。
ラストシーン、Mrsハリスはその赤いドレスtemptationでパーティに。
格違いのドレスに皆が息を呑んでおのずと道を開ける。
お互いちょっと良いかもと思ってた男性と踊るMrsハリスの顔は輝いていた。 終
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と夢のようなお話ですが、
オートクチュールドレス、パリの町並み、若い恋人たち、
ドレスのお針子さん達、なんだか画面から良い香りが伝わってくるようなハートウォーミングな映画です。
私は画面に映る美しいもの達を見てるだけでも楽しかったですよ。
この映画には原作小説があります。
「ハリスおばさんパリに行く」
子供の頃大好きだった本です。
そのことはまた別記事にさせてもらいます。
ありがとうございました。