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光っていようがいまいが

引き続き、個人ポートレート写真撮影の話。




えいこオンニとの撮影で先に決めておいたコンセプトは「近未来」で、私の方からの希望は「私の中の光を撮ってほしい」だった。



撮影場所は事前相談。スタジオを借りることも出来たけどカメラマンが「ここ良さそう」と私に選んでくれた撮影場所は、金浦空港からほど近い「世界で一番大きいカフェ」だった。




四階建ての広大なカフェの中に多様な色の部屋があり、様々な椅子が置かれていたから、撮影には便利だった。平日だったのでお客さんも少なくて撮影することには特に問題なかった。





カフェの外観は金ぴかで、中には豪華なシャンデリアがぶら下がっていた。もしかして成金趣味と言っても良いかもしれない。よく言えばゴージャス。私には何だかしっくり来た。色もお部屋も多様なのが嬉しくて、上から下までを駆け巡った。しんどいとか、めんどくさいとか全然思わなかった。ここを私にセレクトしたえいこオンニは偉い!アンテナが立ってる人なので、事前に要望を伝えればその人にぴったりの場所を選んでくれると思う。





今回のメイクは友達にお願いしてあった。本職のメイクさんではなく画家さんだ。感じる能力に信頼がおける人。彼女のメイクは「欠点をカバーして美人さんに造るために塗る」というより、手の動くままに筆を動かして「その人の本質を浮き彫りにする」メイクと言えるかもしれない。






メイク後の私はキリリと「宝塚の人」みたいになっていた。(宝塚の方とファンの方申し訳ありません。先に謝っておきます。はいちょっと背が高い方なだけです。)





着替えや準備も含めて三時間位の撮影になったと思う。カメラに向かってこちらが自由に動く。位置や角度の支持はあるけれどカメラマンから表情の指示はほぼ無し。元々、えいこオンニはやみくもに喋る人じゃない、感性の人。





幸い寒波が和らいだ日だったとはいえ、1月の撮影なので野外は寒かった。
気温のせいもあって撮り始めの表情は固かったと思う。けど次第に慣れてきたのと、何より途中でガランと空いた部屋があって、そこで好きに歌えた、、のが自分にとって良かった。リラックスできた。歌に緊張する人は多いと思うけど、私の場合は歌った方が何故だかリラックスする。



最後にドレスから着替えてボウタイ付きの白いシャツで撮った。次の翻訳本の顔写真用に使うための画像。その時には表情がすっかり柔らかくなり、目は澄んで優しくなっていた。口からユーミンの歌がこぼれた。「空にあこがれて、空を駆けてゆく」 最後にカメラに収まった私は、以前見た写真のマリーゴールドのように安らいでいたと思う。





メイン衣装の色がイエローグリーンだったのだけど、カフェのお部屋の壁が濃い紫だったり深緑だったりして、この場所で撮ったら出来上がりはどんなに素敵だろうと思うとわくわくした。



「こっちがいい!」「あっちでも撮りたい!」と好きに動いて撮ってもらった。




途中で時々見せてもらった画像の色は予想に違わず良かった!!素敵にメイクしてもらった自分はその背景に違和感なく馴染んでいた。でも消えこんで沈んでもなく、そこにしっかり存在していた。





結局「光を撮ってほしい」なんて言ってたことはすっかり忘れていた。私光ってるかなとか、一度も考えなかった。私が光ろうが光るまいがこんなにいい気分で、息を深く吸い込んでぐいっと背筋を伸ばして前を見ている自分が、光ってないわけがないがないだろう。この先どうだとかこの写真を何に使ってとかそういうことは関係なく、ただその場所に居ながら撮影をすることだけを味わえたのが何より良かった事でした。 ドレス編別に書きます。

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