新婚旅行でバリに行った話2
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ご飯を食べ終わり、手荷物検査に行こうとすると、旦那が、あ、お金がないと言い出した。
今から海外に行くのに日本円入手の為、空港内のATMを探し回る羽目に。
なんで、前もってお金を準備していないのだ。
普段国際空港に来ないため、施設内の色んな物の位置がわからず、探しまわりやっとATMを見つけた。
まだ日本なのにもうすでに疲れている。
やっと手荷物検査場に行けると思ったところで、メガホンを持った空港職員の人が叫んでいた。
『シンガポール航空に搭乗予定の方は優先搭乗手続きするのでお知らせください』とメガホン叫んでいた。
私たちは、バリまでの直通便が福岡からは出ていなかったため、シンガポール経由でバリに行くこととなっていたのだ。
あれ、これ、私たちが乗る飛行機のことでは?
そう、思った瞬間、私の隣にいた旦那が手を挙げた。
するとメガホンを持っていた職員の人が走って近づいてきた。
「後10分で搭乗締め切りです。急いでください」と早口に言われた。
なんだって?!
旦那と私は大急ぎで手続きをしてもらった。
手荷物検査が終わったら、その職員の人は、先に搭乗手続きしてくると他の職員の人に伝え、全速力で私たち夫婦のパスポートと航空券を持って搭乗手続きしに行った。
本当に申し訳ない。
残った職員の人には「慌てなくて良いですからね」と言われたが、先ほどの全速力の職員の走りを見て、呑気に歩くことなんてできない。
小走りで搭乗口へと向かう。
本当は免税店なんかも見たかったのにそれも叶わず、息を切らし、普段の運動不足な自分と呑気にうどんを食べていた自分たちを恨めしく思いながら福岡国際空港内を走り抜けた。
空港の方達のおかげでなんとかシンガポール航空の飛行機に無事乗り込むことができた。
私たちが乗り込むと飛行機はすぐさま離陸となった。
本当にギリギリだったらしい。
離陸し、しばらくするとCAの方達が飲み物の提供を始めた。
機内では、サービスでアルコールを提供していたので、旦那はご機嫌。
シンガポール航空だった為、シンガポールのビールであるタイガービールが提供された。
旦那はニコニコでうどん屋でビールを飲んだにも関わらず、グビグビビールを飲んでいた。
行く前に遺書を書いていた人間とは思えない。
しかも、新婚旅行だと伝えていたので、機内ではお祝いのケーキまで出してもらえた。
ケーキまで食べると、ああ、ハネムーンに来てるんだなとしみじみ思った。
機内を頼んでいた我々。
今後の予定としは、シンガポールでトランジットして、インドネシアのバリ島に行く予定だ。
そのために、人生初のシンガポール航空に降りた。
飛行機が空港に着き扉が開いた瞬間にむっと暑い空気が流れ込んできた。
私たちは2月に旅行に行ったため、冬服だった。
ちなみに冬の時期、バリはオフシーズンなので旅費が安い。
シンガポールはその日28℃ほどあり、ニットワンピースにタイツを履いた私はとても暑かった。
暑いと思いつつも着替えることもできず、人の波に飲まれながら飛行機を降り、空港に入る。
シンガポール空港は空港とは思えない設備で、いろんなお店がところ狭しと並んでいた。
一つの商業施設のようだ。
ゆっくり見てまわりたいが、次の乗り換えは30分後、次は遅れるわけにはいかない。
すると、旦那がアイコスを忘れたので、タバコを買いたいと言い出した。
彼は無論、シンガポールドルは持っていない。
どうするつもりなんだろうと思いつつも、コンビニを探した。
案内板を見ると見慣れたセブンイレブンのロゴがあったため、とりあえず、次に乗る飛行機の場所にも近かったため、セブンイレブンに行くことに。
しかし、セブンイレブンにタバコはなかった。
でも、同じセブンイレブンなのに、シンガポールの商品が並んでいて面白い。
全部英語で書いてある。
海外に来たんだなーと感じる瞬間だ。
すると、旦那が手にビールとジャーキーのような物を持っている。
「買うの?」と私は聞いた。
「うん!」と元気よく旦那は答えた。
「でも、シンガポールドル持ってないでしょ?」と私が彼に問いかけると、答えは明白ではないかと言わんばかりに、
「えみかさんがクレカ持ってるでしょ?」と言い出した。
彼は、当時クレジットカードを持っていなかったのだ。
「え?私が買うの?」
「うん!ちょっと飲んでみたいし」
まあ、旅行だし、あまりここで喧嘩なんかもしたくないので、買ってあげることにしたが、たかがビールとジャーキーで日本円で1000円ほど払わさせれた。
しかも、お店のおばちゃんに、英語で機内持ち込みできないけど本当にビールを買うか聞かれていた旦那。
OK!と元気に返事していた。
ここまでくると彼はテロの心配が疎かになり始め、旅行を楽しみだしていた。
バリに行く乗り換えの飛行機に乗る前に彼は買ったビールを全て飲み干していた。
福岡空港でも瓶ビールを飲み、機内サービスでもビールを飲み、シンガポール空港でも、彼はビールを飲んでいた。
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