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新婚旅行でバリに行った話3

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前回の話


再度、シンガポールからバリ行きの飛行機に乗る際に保安検査があった。

福岡空港からシンガポール空港に行く際の保安検査では何も問題なかったのに、私はその検査に引っかかってしまった。

女性の空港職員に別室に連れて行かれた。

海外での初めての体験である。

日本に戻ることになったらどうしようか。と不安になってきていた。

洋服屋の試着室のようなカーテンで仕切られただけの簡素な部屋に職員と入る。

何か持っていないか、手でパンパン体のサイドを軽く叩かれながらチェックされた。

しかし、私は何も持っておらず、何にひっかかったのか謎だった。

しかも、職員に英語で何か聞かれたが、まったく何を聞かれたか分からず、「what?」と聞き返したら、「go」と言われた。

一体、私はあの時何と聞かれたのだろうか。
未だに謎だ。

なんとか無事にバリ行きの飛行機に乗れた我々。

散々ビールを飲んでいた旦那は、バリ行きの機内の中ではワインを飲んでいた。

めちゃくちゃ旅行を楽しんでいる。

バリの空港に無事到着し、人の流れを読みながらなんとか入国審査も終えた。

よく、テレビで見るような旅行の目的や泊まるホテルなんかは聞かれなかった。

入国審査を終えた後、旦那が次はどうすればいいの?と私に聞いてきた。

とりあえずは、現地の旅行会社の人との合流が必要だと伝えた。

すると、その旅行会社の人はどこにいるの?とこれまた私に聞いてきたがそんなもん私も知らない。

「知らないよ、どこで待っているかまでは」と伝えると、ここまで旅行について全て私に任せっきりで、テロの心配だけをしていた彼が、慌てつつも少し怒りながら、「どうするの!」と言ってきた。

あたかも、私1人に責任があり、お前がちゃんとしないから俺ら迷子になったじゃないかと言いたげな顔だった。

私は、みんなが進む方向にそれとなく行けばわかるだろうと今までの経験上思っていて、呑気な感じでいた。

すると、旦那がかなり心配そうな顔になっていた。
心なしかガンガン進む私の少し後ろを旦那が付いてきていた。

しかし、進んでいくと、日本でも見慣れた青に白字でHISと書かれたロゴがデカデカと壁に掲げられ、同じく、青に白字のロゴ入りのシャツをきたおじさんが立っていた。

旦那は安心した顔をしていた。

そのおじさんに挨拶して、車で泊まるホテルまでつれて行ってもらった。

今回、ツアーではなく、フリーの旅行プランだったので、その旅行会社のおじさんに次に会うのは最終日の帰りだけだった。

無事、ホテルに着き、拙い英語でなんとかチェックインもできた。

ホテルの部屋に着くと旦那はなんかラブホみたいだなととんでもなく失礼なことを言っていた。
全く無粋な男だ。


今回3泊5日で最初の2泊は4星ランクのホテルに泊まり、最終泊だけ5星ホテルのヴィラに泊まる予定だった。

部屋はそんなに広くはなかったが清潔感のある綺麗な部屋だった。

ああ、ついにインドネシアバリ島に来たのかとこの国の暑さを感じながら思っていた。
バリは赤道に近いのでいつでも常夏なのだ。

私たちが行ったのは2月のオフシーズンでとても安く、その当時は1人当たり13万くらいで行けた。

この値段でホテルと飛行機に乗れるんだから、本当にアジアンリゾートはコスパがいい。

同じことをハワイですると100万近くなってしまう。

そんな少し無粋なことを考えながら荷物を解いていた。

部屋には小さな金庫があった為、念のためそこにパスポートをしまった。

大事なものだ。

持ち歩いて擦られでもしたら日本に帰れない。

せっせと荷物を整理していると、酒の瓶を持った旦那がニコニコしながら近づいてきて、「さあ!乾杯しよう」と言い出した。

この酒はどこから出て来たんだ?と思いつつも、もう蓋が開いていたので、受け取ったが、冷えている。

「この酒どうしたの?」と聞くと、「冷蔵庫にあったよ」と言い出した。
「いや、それ有料でしょ」と私が彼に言うと、

「あのね!ヨーロッパのホテルなんかはこういうの全部無料なんだよ!」と言い出した。

しかし、我々が来ているのは東南アジアでヨーロッパではない。それに、彼は今回が初海外のくせによくそんな強気な態度が取れるものである。

すると冷蔵庫近くにメニュー表があり、やはり、冷蔵庫の中身は有料だった。しかも1本あたり1000円ほどする品物だった。
ホテルというのもあるが、バリでは物価が安いものの、酒の値段だけは日本よりも高いのだ。
全く。
旦那にはこれ以上、冷蔵庫の中身は飲まないように伝えて、初日は終わった。

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