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コミネリサ『Sing To The Universe』
先日、コミネリサさんのライブを視聴した。
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音楽でもなんでもそうだけど、20年継続することの難しさや凄さは、まだ何ひとつ20年続けたことがあるわけではないわたしにはとてもまぶしく見える。
リサさん曰く心の中は宇宙で、その宇宙に向かって歌を届けるという意味で今回のタイトルにしたのだとか。
リサさんが奏でる音や声たちは、希望を捨てていない、多くの人を許容するような気がしている。
そのことを感じるのが、アニメのタイアップ曲を歌っているとき。歌詞の内容はシリアスで、曲調も重厚なのだけれど、聴いていて苦しくならない。
それは、声が「陽」だからだと思う。
持って生まれた素敵な声。救いのある声。
ライブでは、リサさんが作詞作曲された歌たちも存分に聴くことができた。
タイアップされた曲とは全然テイストの違う、ピアノと声の両方が主役の歌たち。
あ、これはリサさんが作ったんだなとすぐわかる。
伴奏がおしゃれで、それだけを聴いていても楽しくなるぐらいだ。
でもやっぱり、笑顔で出すリサさんの声が揃うことで曲として完成するものなのかもしれない。
そして今回は、ヴァイオリン、パーカッション、ボーカル&ギターそれぞれとのコラボと、みんなで一緒に演奏する曲が何曲かあってとても豪華仕様。
ピアノにそれぞれの楽器が加わることで信じられないくらい厚みが増して、一気に空間に満ちる音の濃さが上がるとともに、空間そのものも広がった気持ちになった。
「相乗効果」ということばを実際に表すとこうなります、という実例そのものだと思う。
リサさんのライブはMCも面白くて、ステージと客席というよりはテーブルを挟んで目の前にいるように語りかけてきてくれるような感じだから、実はMCも聴きどころ。
曲の思い出とか、その曲をどのように作ったかとか、それらをリサさんなりのワードチョイスで余すことなく伝えてくれる。
曲を作るときは空を見ていることが多いらしく、言われてみると、太陽や月といった空にまつわるものが歌詞に多いなという発見もあった。
空。見えている宇宙。
心。宇宙のように果てのないもの。おわりのないもの。
わたしの心の中の宇宙がリサさんの歌で満ちた夜だった。
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