22歳の反抗期②
前にも述べたけれど、今になって私は親に対して反抗期である。中高生のころは全くだったのに。
大学4年で時給の良いバイトをし、社会人になって自分を養えるくらいの給料は入って、お金の面で自立し始めたのがきっかけだと思う。
欲しいものは自分で手に入れられる、自分が欲しければ手に入れられる、それなのに親の顔を伺ってそれが出来ないことに気がついた。
普通の不自由のない仲が良い家庭だ。恵まれているとは思う。
でも親の前では「いい子」を演じてきたのだと感じた瞬間息苦しくなった。
怒られないように、否定されないように、自分の気持ちを押し殺した。
どうして私は、ずっと歳上の親をおだてなくてはいけないんだろう。
ただの都合の良い存在なのではないか。
どうやったら親が喜ぶか、嫌がらないかを考えてきた自分はとてもつまらない。
人生も楽しくはない。
今、ちょうど親がうちに来ている。
社会人になって、実家から遠いところにある娘の部屋を旅館代わりにするのは構わないが、何となく態度が気に食わない。
今では家賃も私が払っているのに、あたかも父親の所有物のようだ。
あえてものを増やしていない部屋に意気揚々と布団を敷かれると、私の内面を侵害された気持ちになる。
慣れない仕事、新しい環境、先輩との関わりで疲れて一人になりたいのに、ずっと物音がする。
ゆっくりのんびりして適当に寝て起きたいのに他人の生活リズムがぶち込まれる。
それなのに、私は嫌と言えない。
親に申し訳ないなと思ってしまって、疲れているのにどこか気を遣ってしまう。
気を遣ってしまうから来ないで欲しい、というのは変だろうか。
社会人になった私の唯一の退避場所。
自分と向き合って変わるための場所。
それを侵されるのは気持ちの良いことではない。