大阪ゆらゆら日記②〜カラスとたたかう〜
今日は在宅勤務だった。
昨晩は日が変わる頃にはすっと眠れたので、目覚ましが鳴っても心地よくうとうとしていた。
ところが、なんだか騒がしいのである。
時刻はまだ朝6時。
カラスが二羽、かなり近いところで甲高い声を上げている。
しかも。それは定期的に繰り返される。
iPhoneのスヌーズ機能よりもタチが悪い。
諦めて8時前には起きて、残り物の高野豆腐を鍋で温める。
ついでにノートパソコンも開いて温めておく。
9時になってさあ、仕事をしよう、としたまさにその時。
カーンという金属を軽く打つ音。
なんだなんだとベランダを見ると、カラスである。
ベランダの屋根から吊り下げられた物干し竿かけにどっしりと構えていた。
意外とカラスを間近に見たことはなくて、その大きさに驚く。
窓ガラスを隔てているとは言え、あまり気持ちのいいものではない。
細い首と嘴が見えて、なんとなく気分が悪くなる。
魚の鱗が苦手なのと同じような気味の悪さ。
うげげ、と思いながら音楽を流してみるが逃げない。
気が散ってしまい、カラスが飛び去った後も頭はどんよりとして、仕事に身が入らない。
1時間と経たないうちに、やつは舞い戻ってきた。
ベランダの手すりに一度カーンととまり、その後物干し竿かけに飛び移る。
やめてくれ。
YouTubeでカラスが嫌がる音楽をかけると飛んで行った。
ネットで調べると、カラスがとまる近くに糸なんかを張っておくと寄ってこないらしい。
飛んでくるなよ、とぶるぶる震えながら黒い縫い糸を一本、カラスの軌道にそって結んだ。
しかし、またやってくる。
懲りてくれ。
きょとんと首を傾げながら糸を見つめているが、お構い無しに同じように飛び移る。
またYouTubeで撃退する。
正直鬱陶しい。
ベランダに落し物やら羽やらが落ちていてガッカリする。
ネットでカラス除けを注文する。
早く届いてくれ。
一度は飛んできてすぐ、大雨と強風がベランダを襲い、それから逃げるように羽ばたいていった。
また来た。
もう諦めて、見ないことにした。
カーテンをガラッと閉めると飛んで行った。
その後もカーテンの向こうからカンっという音がすると、ヒッチコックの鳥ってこんな感じなのかしら、というレベルでゾッとする。
その後、昼になって建物周辺のカラスたちが見当たらなくなったので、梱包用の白いビニール紐をさらに付け足した。
結び目の先を少し長めに余らせて、ひらひらさせた。
これの効果か時間帯か天気か知らないけれど、それ以降は見ていない。
明日の朝は鳴きませんように。
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