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猟奇的な草刈りに思う夏の日の2022

たしかにその日はすこし涼しかった。
暑い日が続く中、やっと訪れた草刈り日和には
違いないがあのような仕上がりになるとは…

春ごろは少しばかりいい感じに見えていた庭も
夏をむかえる頃には大量の雑草で鬱蒼となる。
今年の春にいくつか植えた種は一体どこにあるのやら
生い茂る雑草の中で無事を祈るばかりとなっていた。

しかし数年前に鉢植えから地植えした
ローズマリーやバジル、ミントにシソなんかは
鉢植えの頃の2倍以上の大きさとなって
雑草に引けを取らない生命力を見せてくれていた。

そんな我が家の草たちを、ある日夫が刈り始めた。
草刈り機でわしゃわしゃ刈ら取られていく雑草。
大きな庭ではないからそんなに時間はかからない。
しばらくしてわたしが庭を覗いてみたところ
それはそれは、さっぱりと雑草が刈られた庭とご対面。
それはまるで波平さんの頭のようなつるつるさ。
庭の端っこに生えるローズマリー、バジル、ミント、
シソたちはまるでなんとか生き残った毛のようだ。
庭のデザインとしては極めて不思議に思えたが
まぁ草刈機で刈るとこうなるよね、と感じた。
何より生い茂る雑草を刈ってくれたことはありがたく
とくに異論はない。
そのうちローズマリーたちの横にユーカリや
ディルなんかを植えてみればまた雰囲気も出そうだな
なんてわたしは想像しつつ庭を後にした。

そんなこんなで翌日、また庭を覗いてみたところ
なんと生き残っていたローズマリーたちも
跡形もなく刈り取られているではないか。
え…そっちも狩るんかい。

結局全狩りされた庭。
春には少しばかりイングリッシュガーデンのような
自由な自生に見えながらも程よいバランス感に
近づきつつあるように見えた庭。
しかし今、目の前にはつるっぱげの庭が広がっている。

その後、一度は残していたローズマリーたちまでも
なぜ刈りとったのか、夫に聞いてみるとこう言われた。
「ちょうどミニマリストの本読んでたからな。」

なんそれ

予想だにしていなかった、ある意味ストレートな理由に
わたしは思わず吹き出してしまった。

まぁいい、秋には再度種を植えてみよう。
そしてできれば芽が出るところを見てみたい。
つるっぱげの庭に思う夏の日の2022。


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