自立について
女性は経済的に自立していなければいけない-
身をもって知ったのは、離婚を真剣に考え始めた時だ。
当時育休中だった私は、数年前に抱いていた自分の甘さを呪ったものである。
「このまま育休を機に仕事をドロップアウトしたい」
果てしない教職のマルチタスクと自分の力量不足に辟易していた私は、結婚、出産を機にこの地獄から抜け出せるなどと打算的に考えていた。
そういう意味では、私も相手を利用しており、本気で愛してなどいなかったのだろう。
そして離婚時。
もう誰にも寄りかかれない不安はあったが、自分には仕事があるということ、何とか子供を一人で育てていけるという事実は離婚の決断をいとも簡単にしてくれた。
専業主婦への憧れはもう捨てた。
これからは大黒柱として、何があっても働き続けなければいけない。
前を向いて生きていくしかない。
そう自分を鼓舞すると同時に、周りから同情されないよう精一杯意地を張り、強がって生きてきた(そのメッキは帰宅時にすぐ剥がれるのだが)。
とにかく経済的自立は私の中で絶対的位置を占め、ここ数年は家のローンが終わった余裕も出てきて、好きな服やコスメ、家電など好きなものを自由に買える喜びを味わっている。
しかし、今の私に圧倒的に足りないものがある。
それは精神的自立だ。
自身に問いかけるのも情けなくて誤魔化してきたが、私は全く持って精神的に自立ができていない。
パートナーがいなかったここ4年ほどは、誰にも期待せず何とか自分の孤独を飼い慣らしていたが、そこで耐性がついたというわけではなかったようだ。
彼氏ができてしばらくすると、私の構ってちゃんぶりが暴走し始める。
何故私の大変さを理解してくれないの?
もっと支えて欲しいのに!
相手の立場になれば、間接的にネチネチ言われるこの苦痛といったらないだろう。重すぎる…。
それでも真髄に触れてくれないイライラと惨めさに狂い、果てには自己嫌悪に陥る始末…。
本当に自立できていないと猛省する日々である。
彼にも公言したのだが、今年の私の目標は精神的自立だ。
しかしその1週間後に起こった仕事のトラブルを延々と愚痴り、しまいには悲観的になって別れを持ちかけるという悲惨な結果になってしまった(後日話し合いで円満に解決したが)。
未だ正しい距離感を掴めず迷走の日々だ。