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過去を振り返ってしまった

 新たにYouTubeのチャンネルを作成し、ようやくキューバで撮ってきた動画をぼちぼちとアップし始めた。動画の編集や公開に関しては毎度行き当たりばったりなので、ちっとも知識がなく、気付けばYouTubeのアカウントが三つ…。おや、まあ。

その中には2008年に作ったチャンネルがあって、2本だけ演奏動画を上げている。うち1本は曲目がかの有名な『COPACABANA』だからなのか、今現在の再生回数が知らぬ間に4桁に達している。

 私は今日、懐かしさもあって恐る恐るその動画を再生してしまった。アップした当時に使用していたオーディオデバイスでは殆どベースの音が聞こえなかったので、内心「しめしめ」と思って作業したことを思い出しながら。ところがMacBookめ!ベース音が聞こえるじゃないか。ノートPCの内臓スピーカーがこの音を再現するとは。機械の進化は恐ろしい。えらいこっちゃ。でも自分の成長も感じられるのでは?と前向きに考え、そのまま腹を括って最後まで聴いてみた。

 結果、思ったほど悪くなかった。というかむしろ自分が思い込んでいたより圧倒的に良かった。もちろんフレーズ自体に迷いがあったと思われる部分は見え見えだし、細かく打ち込むタイミングは甘い。だけど大事な部分ははずしてなくて、なにより音楽全体の流れを止めるようなことにはなっていない。自分で言うのもなんだけど。

とどのつまり、アンサンブルのノリがおかしなことにならなければその演奏はOK!というのが今の私の哲学なのだ。だからこれはこれで良し。と、当時の私に伝えてあげたい。ちなみに、そこに時々ちょっこし美味しくなるスパイスを入れられるようになるのが今目指している理想型。

 うっかり過去を振り返ってしまったけれど、おかげでもうちょっと今の自分に自信を持ってもいいのかな、と思えた。自分をあまりに過小評価することで、現実はそうでもないのに不必要に自分自身に「ダメフィルター」をかけてしまうことがある。謙虚であることと卑下することは違う。自分を客観視する作業は天狗の自分を戒めることと、落ち込んだ自分を引き上げること、両方の効果を持っている。自分の演奏を後から視聴するのは概ね精神衛生上キツいけれど、ときにはこうして自信を取り戻せることもあるようだ。

ただ、動画のシルエットが若々しくて、それについてはショックを隠せずにいる、バカボンのパパと同い年の春である。

不可能とわかっていながら、できることならリベンジしたいとずっと思っているバンドの一つ。多分にドラムに引っ張ってもらってる感も否めない、ラテンの「ラ」の字も知らないこの頃。

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