豊かさの弊害
お金を出せば大概のものが手に入るのが当たり前になると、物を限界まで使う、あるいは使い込んでそのポテンシャルを引き出すことをする前に、新たな物を投入して不満を解消しようとしがちではないだろうか。
訪れたキューバには物もお金もなかった。しかし多くのミュージシャンは私たちの感覚ではありえないようなズタボロの楽器や粗末な機材ですばらしい演奏を聞かせてくれる。彼らはそこにある物を最大限に愛し、最大限に使い込み、鳴らそうとする。
不満の原因を物に求める前にやれることがある。
真新しい弦に交換しながら、音楽を愛してやまないキューバのミュージシャンたちを思い出した。果たして私は物を使い切れているだろうか。
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