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娘の風邪、父の車
今日の写真:NIKON Z50II / NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
朝、目を覚ますと、娘が隣でゲホゲホと咳をした。熱を測ると37.2。微熱だが、このまま上がっていくだろうなと彼女の顔を見て思う。母親の勘は、こういう時、当たるものだ。
学校を休ませることにして、スマホでポチッと欠席連絡を入れる。昔は親が学校に電話をかけ「すみません、娘が風邪をひきまして・・・」と伝えていたものだけど、今はそれも不要になった。先生の手を煩わせずに済むのはいいことだけど、なんだか味気ない気もする。
娘はあまり体が丈夫ではない。普段は元気いっぱいなのに、調子を崩すとあっという間に動けなくなる。ホロスコープではアセンダント牡羊座。勢いよく走り出すけれど、燃費が悪く、すぐに止まる。アメ車みたいだな、と思う。
今日は鑑定書の納品と執筆。こうして日記を書いているのは、気分転換でもあるし、素早く過ぎ去ってしまう日々を、少しでもどこかにとどめておきたかったから。写真や動画では残らない感情を、文字は刻んでくれる。
外はとにかく寒い。娘に厚着をさせ、自転車で病院へ向かおうとしたら、父が「乗っていけ」と車を出してくれた。孫のこととなると、昔から私よりずっと必死だ。私が子どもの頃、父はこんなふうだっただろうか。否。仕事で帰りは遅く、たいてい飲んで帰ってきていた。看病してもらった記憶はない。孫のことは別腹のよう。自分がどんなに体調が悪かろうが、用事があろうが、率先して看病してくれる。ちょっとした風邪でも「油断はできないからな」と誰よりも"命がけ"だ。
病院の前で車を降り、父を見送りながら、今年の正月の決意を思い出した。今年こそペーパードライバーを卒業すると決めたんだった。いつまでも父に頼るわけにはいかない。
娘は軽い風邪だった。再び父に迎えに来てもらうよう電話をした。車が来るまで、待合室で待ちながら、娘の風邪が治ったら、運転の練習を始めよう、と決めた。今日の決意は、割と本気だ。父が必死で守る孫のために、私も踏み出さなければならないのだ。