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Sparta再始動ツアーUS北西部行脚①~きっかけ編

3年ぶり2度めの海外遠征編です。

大本命のフーファイも東海岸で特大級のツアーをやっている最中に、今回はあえて北西部を選んで飛びました。

私にはどうしても見たいドラマーさんがいました。知ってから4年ほど、ずっとネットを介して追っかけてたひとです

普段からTwitterではカリィさん、と呼んでますが本名はCully Symington、テキサス出身のセッションドラマー。初めてコーチェラの配信で見たときはまだ20代の若いドラマーでした。しかし、すでに彼の経歴はしっかりと18歳からAfghan Whigsのグレッグ・デュリに抜擢されて以来、21歳でツアーに出たのはマーク・ラネガン擁するGutter Twins、 復活したAfghan Whigs、 デュリのソロ活動すべてのドラムと、2009年からはCursive、Okkervil River(その他諸々)のドラマーとして掛け持ちしていました。後追いの私が調べても、皆90年代を代表する強い個性のフロントマンを擁するインディ・ロックバンドばかりで、なぜ今の彼があそこまで多機能に叩けるのかも納得します。
彼のドラムはシンプルなドラムキットながらとってもパワフルで、でっかいライドシンバルを鳴らしながら、表現力と抑揚を鮮やかに曲につけていく抜群のセンス。とはいえ、存在感を大きくは主張せず、奥にひいたままひたすら強い音でバンドを押し上げていく縁の下の力持ちのようなタイプです。ですが、手足が長いのでドラミングがとても見栄えするドラマーさんでもあります。

前述のグレッグ・デュリは彼のことを「パワフルなドラマーではあるけれど、同時にスイングするようなノリも作れる稀有なドラマー」、Cursiveのティムは「曲のアレンジを細部まで展開できるミュージシャンとしても素晴らしい才能がある」、Spartaのジムも「パワフルで強いドラミングと、素晴らしい人間性の持ち主」となど技術面も人間性でも評価がとても高いです。

2013年にホステスのイベントでOkkervil Riverとして来日して以来、日本に疎遠なバンドに付くことが多く、私も一度も見る機会がないままSNSを漁り、Youtubeを漁り…の日々でした。現在、Okkervil River、Beach Slang、そしてSpartaの掛け持ちをしているカリィさん。なんとかこの時期に休みが取れそう…とギリギリまで調整して、今回念願の彼を見に行くことにしました。そしてどうしてもこのルートで行きたかったので、Spartaのポートランド、シアトル、バンクーバーの3公演を観に行くことにしました。

そしてSparta。At The Drive-Inの結成当時からのギタリストであるジム・ワードが中心となったバンドで、2001年結成。もともとは他のメンバーもATDIのメンバーでした。が、本家復活に吸収され、残ったのは本家には戻らなかったジムひとり。結成当初からのベーシストだったマットと、一瞬だけ在籍していたギターのガブリエルが復活して、再始動が宣言されたのが去年秋。そこに新メンバーとしてカリィさんが加入したのです。テキサス出身つながりというのもあるのかな。カリィさんがBeach SlangやOkkervilのツアーを掛け持ちしているため、その合間に去年末からテキサスツアー、カリフォルニアツアーを経て今回の北西部ツアーとなりました。(カリィさんは2月から休み無しで11月まで3バンドのツアー中です…がんばれー!)


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※余談※

カリィさんを知ったのは、2014年のコーチェラ配信でした。Afghan Whigsのドラマーとしてマシーンのように正確にでっかいスイングでビシバシ叩いていた彼を「なんだこのドラマーさん!!」と気になっていたときに、ライターの鈴木さんが彼のことを呟いてくださったんです。鈴木さんは私が高校の時からROでずっと読んできた信頼するライターさんで、鈴木さんのおかげでいろんなバンドやアーティストに枝葉がついて沢山の音楽を聴くきっかけにもなってます(20年以上経った今も…)。今回のSpartaも、鈴木さんからいろいろと教えてもらってそのおかげでとても楽しめました。

鈴木さんの返信の内容が4年後にものすごくよくわかりました…。