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あなたは勇気あるNOを言えるか?


勇気ある「ノー」が、歴史を変える
エッセンシャル思考

先頃読んだ本に大変印象的なくだりがありました。

人種差別に対して静かな抵抗を貫いたローザ・パークスのエピソードです。

当時は黒色人種が酷い差別を受けていた時代でした。

ローザはとあるバスの中で白人専用席(!)に座り、そこから立ち退くことを断固拒否したのです。

バスの運転手は彼女に席から立つように命令されても決して譲りませんでした。

結果ローザは逮捕されてしまいました。

しかし、その不撓不屈の精神が世界中に反響を呼び起こしたのです。

彼女は逮捕されながらも、「もう二度と座席のことでこんな屈辱を受けたりしない」と固く誓った。その屈辱を避けるためなら、刑務所に入るリスクくらい受け入れられると思った。
「エッセンシャル思考」

この本の著者は、現代に生きるわたしたちが、ローザのような仕打ちを受ける可能性は低いと語りますが、実は決してそうではないことは聡明な方々はとうにご存知のことでしょう。

先日感染症対策のためのスポーツの試合の声出し応援禁止のルールを破って罰金まで要求されてしまったチームがありましたね。

ネット記事に寄せられたコメントを読むと

「声出し禁止に感染対策効果があっても無くてもルールはルール」

といった内容の意見が多く寄せられていました。

科学的根拠とか合理性は二の次ということですね。

しかし、こうした考え方は古今東西変わらず権力者の都合のいいように利用されるだけです。

おかしなルールにはノーという勇気を持たないと更にもっともっと理不尽なルールが増えることになります。

茹でガエル状態にされてしまいます。

先述のローザも今でこそその勇気を賞賛されていますが、当時は彼女の行動に否定的な意見の方が多かったのではないかと簡単に想像できます。

彼女と同じ黒色人種の人たちですら、ルールに黙って従っていれば安全なのにわざわざ白人席に座って逮捕されるなんて大馬鹿者だという意見が多数派だったかもしれません。

断固として断らなくてはならないとき、あるいは周囲の同調圧力に負けそうになったとき、彼女(ローザ)の強い決意を思い出してほしい。
「エッセンシャル思考」


我が国も同調圧力の国であり、多数派から外れてしまうと変わり者扱い、いや、変わり者で済めばいいのですが、時にローザのように人権剥奪の危機に晒されます。

いつの時代もローザのように勇気ある人は僅かです。

しかし、ローザの行動が後に公民権運動に火をつけることになったように、勇気あるノーがこの世界をより良い方向に変えていく第一歩となるのです。

「エッセンシャル思考」はビジネス書であり、人種差別を始めとする不当な差別問題を扱う内容ではありません。

でも私はローザのエピソードがいちばん心に残ったのであります。

「エッセンシャル思考」の中で引用されていたこの一文で筆を置きたいと思います。


勇気とは、プレッシャーに負けない品格のことだ。
アーネスト・ヘミングウェイ

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