見出し画像

漂流船出港!?:渡米までのなが〜い道のり(1-3)

全力疾走の夏

なんとかTOEFLのスコアを間に合わせ、約6週間のサマースクールに応募し、合格することができた。

2020年、東京五輪も延期になったあの夏、パンデミックは世界中で深刻化する一方で、サマースクールもついにオンラインでの開催が取り決まった。

日本の高校を1ヶ月ほど休学させていただき、東京の自宅に籠城しながら、毎晩23:30から1時間と、翌朝5:30から1時間、zoomの授業に参加し、合間に膨大な課題と格闘するという、少々カオスな日々が始まった。

時差を考慮した上でなんとか受けられそうだったWorld Issues と Global Scientific Issuesという酷似した名前の授業を二つ、受講した。二つとも私の興味にはドンピシャだった。ひいひい悲鳴をあげながらも、のめり込むようにして大量のリーディングと格闘した。

どちらの授業でも毎回30-40ページ程度の教科書のチャプターを読み、annotate(重要な箇所に線を引いたり、分からない単語を調べたり)する。加えて指定された動画を見たり、短いエッセイを書いて提出することもあった。

授業は宿題でインプットした内容を元に進められる。先生がいくつか質問を投げかけた後は、生徒が主体となり、ああだこうだと議論を進めるという形が基本だった。World Issuesでは、あらゆる国際社会の課題を、深く、集中的に学んだ。あるときは核兵器やサイバーセキュリテイなどの国防問題、あるときは移民についてなど。一度、二つの授業で扱う内容が、偶然にも一致したことがあり、1日に5、6時間、週に7日、ひたすら環境問題のことだけを学んでいた時期もあった。

日本の中高では同時に10数の教科を履修し、広く、浅く学んでいくのが一般的だったので、深く専門性の高い学びはとても新鮮で、夢中になった。寮生活を体験できなかったり、友だちと出会う機会が少なかったのは残念だったが、6週間が経つ頃には、私はすっかりチョート式の学びの虜になっていた。夏だけじゃ足りない、もっと色んな授業を取ってみたいという欲望が、密かに、もくもくと心の底で沸き始めていた。

次章:サマースクールでアメリカの教育の虜になった!ついに長期留学へ進むか、と思いきやもう一悶着あります。(ಥ_ಥ)


いいなと思ったら応援しよう!