2024帰国生中学入試スタート! 初陣は広尾学園小石川AG
ついに始まりました、2024帰国生中学入試。
初陣は広尾学園小石川です。
朝からシトシトと冷たい雨が降る千石に降り立って
真っ先に思い浮かんだのは「受験者数、少ないな」でした。
受験番号を見ると、受験者数は141人。
一方、国際生入試の枠組みで行われた去年の11月3日入試は受験者が244人。単純に100人、受験者が少なくなったことになります。
国際生入試とは海外経験がなくても英検2級など一定の英語力があれば受験可能なもので、国内インター生、英語が得意な国内小学生にも広く門戸が開かれていました。
ただ、それでは帰国生という海外経験で得られた広い視野や異文化経験を還元することで一般生へのポジティブなシナジーを生み出す、という効果は期待できないかもしれません。
想像するに、少なくとも建前上はそれが可能なはずの帰国生と、英語力があるが国内在住の国際生とは区別して選考するべき、ということで今年からは国際生入試は2月に、帰国生だけの入試を11月に設定したことで受験者数が大幅減少したとみられます。いかに国内インターを中心に英検2級程度の英語力を直近の海外在住経験なしでも持っている小学6年生がいるか、ということでもあり、これはこれで驚くべき事実です。
広尾系はTOEFLスコア90点以上で英語が免除となる制度があります。
100点満点で、スコアに0.75をかけた数字が得点とカウントされます。
我が子はTOEFLで基準点以上をとっているので英語試験で、それに見合った得点に換算されます。これは後述するようにとてつもないアドバンテージです。
英語免除組の集合時間は45分遅い9:15でした。この時間に集まった子たちを数えると、英語免除を受けたのは24人ほどでした。最初は「小6にTOEFL90点以上を求めるなんて広尾もエグいなー」と思ったものですが、結構いるものですね。受験者の17%が90点超ホルダーということになります。
広尾学園系の英語の出題内容はポエム系がメインで非常に難解です。ノンフィクション好きなどファクトベースの話に慣れた脳の子だと特に手こずるでしょう。ハッキリ言って、あのポエムの問題で70点や80点を取るのは至難の業だと思います。一度、サンプル問題を見てもらえれば、ご理解いただけると思います。うちの子はポエムもノンフィクションもどちらも得意ではありますが、試験当日、初見の問題で80点をとることは簡単ではないでしょう。我が子も「ポエムの難しさを考えるとTOEFLで代えられるのはほとんどCheatingなくらいだよ」と言っていました。
何よりもスコアを事前に確定できるのは大きなアドバンテージです。TOEFLは確かに高校生、学部生レベルではありますが4択ですしね。完全記述でポエム問題に解答しなければならないハードル、当日は算国だけに集中すればいい、しかも当日、体調も含めて不確定要素があることを考えると、TOEFLによる免除は「お買い得」であることは間違いないと思います。
学校に入ると警備員さんと先生が出迎えてくれました。親は入校証を首から下げて、体育館で待つことになります。
帰国生の親だからさばけているというか、さっぱりしていますね。基本は普段着の方がほとんどでした。少し気にして丁寧な装いを意識している。さすがにジーンズは見ない、といったところでしょうか。
いわゆるお受験ルックの紺スーツのお母さんも少数ながらいるものの、その装いも一般生のそれに比べればそれほどガチではありません。
我が子はかなり緊張しているせいか、爪をしきりにいじったりしています。
志望校ではないにしても、本番は本番。当たり前ですが模試とは大違いです。そりゃ、緊張しますよね。
熱望校の本番の日、緊張しても実力を出すにはどうしたらいいのか、お腹が痛くなったら、どう、しのぐのか、本番に向けて傾向と対策を学び取ってほしいです。小石川さんには申し訳ないですが、まさに本番さながらの訓練です。
緊張するとお腹が痛くなるうえ、寒がりなのでカイロを持たせましたが、試験会場はむしろ暑いくらいだったとのこと。「みんなの様子はどうだった?」と訊くと「日本の受験生って感じの制服で、ANAのCAさんみたいに髪の毛をピシッとしている子が左隣。右隣には頬杖つきながら、つまらなさそうにしている子」がいて、朴杖さんは本番での筆が進むスピードからいって明らかに「渋渋に行くような天才」だったそうです(笑)。
面接まで時間がある子は待合室で保護者と合流してお昼ご飯を外で食べに出るのも、校内で食べるのもいいですし、保護者が面接待機室まで弁当を届けるのもOKだそうで、この辺の柔軟かつ痒いところに手が届く運営はさすが、といったところです。
迅速な処理を目指す学校側の努力で面接は10ものブースが設けられていましたが、それでも各ブースで14人の受験生の面接がおこなわれます。
従来、広尾系の面接は人柄を見るのがメインの参考程度だと見られていましたが、今年からは前述の通り入試制度が変わったことで面接の重要性は高まったのではないか、と私は感じました。
我が子の面接時間は15分近くだったこと、質問もそれなりに多岐にわたっていて丁寧に聞いてくれていることを踏まえると「参考程度」とはちょっと考えにくい、というのが感想です。
今年は大幅に出願者が減った一方で、近年の合格者/入学者の歩留りが35%前後で推移していることを考慮すれば帰国生の合格者を大きく減らすことは考えにくく、ましてや海外大学合格実績という金の卵を産む可能性が高い帰国生の合格者を減らすことは考えにくいです。
むしろ去年よりも合格基準を下げつつ、面接の要素も加味して総合的に合否を判断するケースが増えるのでは、と私は想像しています。
参考程度だと過小評価してかかるべきではない、その面接ですが、実際の中身はどうだったのでしょうか。
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