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「エルピス」と「初恋の悪魔」で共通して描かれる社会と坂元裕二さんが伝えていた裏テーマ

私たちが知らない社会、考えることがタブーな社会が「エルピス」と「初恋の悪魔」で共通して描かれます。
フィクションでありますが、その2つのドラマを見た方は、そこに「リアルがある」と実感できたのではないでしょうか。
今回は、「エルピス」と「初恋の悪魔」で共通して描かれる社会を比較してみましょう。
※これから先はネタバレを含みます。

目次
1.弱い立場の人間達
2.真犯人は権力によって握りつぶされる
3.違和感を感じて動く少数派
4.まとめ

1.弱い立場の人間達
この社会で一番最初に見放されるのは、立場の弱い人間達です。
それは、リサ(満島ひかり)と松本死刑囚(片岡正二郎)です。2人とも一部の権力という社会の構造の中で事件に巻き込まれて冤罪事件の犯人に仕立て上げられてしまいます。家族がいなくて、色々とトラブルを抱えている、冤罪事件をつくるにはとっておきの人物なのです。
この2人は社会のルールからはみ出していた過去を持ちます。身寄りがなく困っていた子供の頃の星砂(松岡茉優)と大山ヘアスタイリスト(三浦透子)を匿い、自宅で面倒を見ていて事件の犯人かもしれないとなったら怪しい人物として判断されてしまうのが現実です。

2.真犯人は権力によって握りつぶされる
身内に起きた都合が悪いことは握りつぶす。そうしてまた新たな殺人が起こり冤罪事件、もしくは未解決事件としてもみ消すのです。雪松署長(伊藤英明)と大門裕二(山路和弘)がその代表でしょう。いずれも社会の構造の中で事件の存在と真犯人が見つかると都合が悪いと判断して間違った判断をしてしまう。そして、それに従わなければ抹殺されてしまう人もいるのです。
そんなことは考えずにシリアルキラーの雪松弓弦(菅生新樹)と本城彰(永山瑛太)は次々と事件を起こすのです。
その度になんとかもみ消し、知らないふりをする社会なのです。

3.違和感を感じて動く少数派
違和感を感じて動く少数派の代表が鹿浜鈴之助(林遣都)と岸本拓郎(眞栄田郷敦)です。
何かがおかしいと違和感を感じ、真相にたどり着く人間はいます。しかし、大抵の人間はそこで終わりです。そこで、声を上げられるのは、「覚悟」を持った人間です。敵は、正しいだけではダメで正論を振りかざしても倒すことができません。
必要なのは、多少の手荒い行為と仲間、もしくは、バディでしょう。馬淵悠日(仲野太賀)と浅川恵那(長澤まさみ)です。その結果、事件の真相が世に出ることになるのです。

4.まとめ
「エルピス」と「初恋の悪魔」の共通点ががわかったのではないでしょうか。
ところで、エルピスのプロデュースはカンテレの佐野さんがしています。また、佐野さんは初恋の悪魔の脚本の坂元裕二さんとのお仕事もしていて親交も深いそうです。
ここからは推測ですが、佐野プロデューサー自身がこのテーマにすごく興味を持っていて、坂元さんにもよく話していたということが考えられます。その佐野さんから聞いていた話を坂元さんなりに表現したものが初恋の悪魔というドラマに繋がったのではないでしょうか。その結果、必然的に2つのドラマで描いていることが重なったのではないかと私は思いました。
みなさんはどう思いましたか?

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