受精障害の定義、精子の遠心分離の影響
【ご質問原文】
先日採卵で16個成熟卵が採れました。
選別方法は遠心分離で選別をしているようで運動率は高く、体外受精に使えるレベルということでした。
ただ、受精個数が6個程度と低く受精障害を疑っているのですが、胚培養士から見て受精障害と判断する基準というのを知りたいです。
また、精液の選別時点で遠心分離を行うのは危険ですか?
【回答】
ご質問ありがとうございます。
まず、受精障害の定義ですが、成熟卵あたりの受精率が20〜25%未満を受精障害としている施設が多いと思います。
今回のケースでは、6/16 受精率 37.5%となりますので、一般的な受精障害の定義よりは受精したという事になりますね。
でも、体感的には「全然受精しなかった」と感じるのは培養士も同じだと思います。
精子の調整で遠心分離を使うのは危険か?
というご質問ですが、精子調整に遠心分離機を使用しない施設の方が圧倒的に少ないです。
最近では、遠心分離によって精子のDNAが損傷するといった報告もあり、遠心分離を行わないデバイスのスパームセパレーターなども販売、臨床使用されています。
しかし、精液所見が良くても体外受精可能な濃度の運動精子が回収できなかったり、精漿除去が不十分だったりと、まだまだ新しいスタンダードにはなりそうもないです。
以上です。
ご参考になれば嬉しいです。
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