PGT-Aを試みてから胚発育が悪い
【ご質問原文】
いつも拝見させていただいてます! 質問なのですが、 PGTAを試みてから採卵結果が悪いです。
途中で成長が止まったり、胚盤胞のグレードが悪いです。 もちろん年齢が上がっていっているのもあるとは思うのですが、PGTAを予定する卵には少し穴?をあけますよね?
それによる損傷で育たなくなっていると言うことは あるのでしょうか?
技術的な問題だとも思うのですが。
やらない方が卵にとっては、打撃が少ないのでしょうか?
PGTAの正常胚が妊娠した時は、異常の可能性も低いと思うのでできたら続けたいとは思うのですが、 今後の採卵をどうしようか迷う所です。
【回答】
ご質問ありがとうございます。
PGTをするためには、透明帯という胚を保護している構造物に小さい穴を空けます。
そして、そこから脱出してきた胚の細胞を一部採取します。
この透明帯に穴を開けるタイミングですが、おそらくクリニックによって異なっています。
大きくに分けると胚盤胞になる前(3日目〜4日目)または、胚盤胞になってから(5日目〜)です。
後者の場合、胚発育(胚盤胞になるかどうか、グレードはどうか)への影響はないと思います。
なぜなら、穴を開ける時にはすでにグレードがわかっているからです。
前者の場合は、胚盤胞に発育する前に、通常なら実施する必要がない操作を行うので、胚へ物理的、環境的ダメージがある可能性は否定できません。
ですが、透明帯に穴を開ける作業にそこまで大きな影響があるとは個人的には思えないです。
一方で、バイオプシー(細胞採取)による胚へのダメージは小さくはないと思いますし、それによってグレードが低下してしまう事はあり得ると思います。
やらない方が卵にとって打撃が少ないのでしょうか?というご質問に関しては「その通りです」とお答えするしかないです。
PGTのメリットデメリットはもう一度再確認して、今後の治療をどうするかをご検討された方が良いと思います。
以上です。
ご参考になれば嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?