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施設の培養技術差が出る成績とは?

【ご質問原文】

いつも丁寧で分かりやすい解説、ありがとうございます。 

興味深く読ませていただいております。 

本日は、施設ごとの培養技術の差がどんなところに出るか知りたく、質問いたしました。

素人なりの予想では・・・ 
①顕微受精の技術 
②未熟卵の培養 
③PGTAの際の胚へのダメージの大小 

が思いつきました。

④施設によっては低グレードになってしまう卵が技術のある施設によっては良好胚になる

ようなことも、差として出てきますか? 

比べようがないことの気もしますが、 ご意見を聞いてみたいです。
よろしくお願いします。

【回答】

ご質問ありがとうございます。

私の個人的な基準ですが、どの培養技術が施設によって差が出るのか。
また、その差をどのような数値で判定するかについてご説明します。

① 顕微授精の技術
→ 受精率や変性率で判定

② 培養技術全般
→ 胚盤胞率、良好胚率、妊娠率、正常胚率で判定

③ 凍結融解技術
→ 融解後の生存率や回復率で判定

④ バイオプシー技術
→ 融解後の生存率や正常胚率で判定

ただし、②や④のような成績は、患者さんの年齢や反復不成功などの既往に大きく左右されるので、妥当な数値と判断するにはある程度知識が必要です。

IVMのような未熟卵の培養は、一般的には行われていないので、比較するパラメーターとしては弱いと思います。

培養技術によっては、良好胚に発育するはずだった胚が不良胚となってしまう事もあり得ると思います。それを評価するのが、②の良好胚率となります。

ざっくりとこのような所かと思います。

培養技術もとても大事ですが、培養結果や成績は刺激や採卵、移植の技術も大いに関わってくるので、医師の良し悪しも重要ですね。

以上です。
ご参考になれば嬉しいです。

こちらも参考までに

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