抗核抗体や抗セントロメア抗体陽性はどのような原理で、受精率や胚の成長に影響を及ぼしているのですか?
【ご質問原文】
質問失礼致します。
抗核抗体や抗セントロメア抗体陽性はどのような原理で、受精率や胚の成長に影響を及ぼしているのですか?
【回答】
ご質問ありがとうございます。
かなり深いところまでの原理は専門家ではないのでわかりませんが、一般的には正常な減数分裂や体細胞分裂を抗核抗体や抗セントロメア抗体が阻害している事で、受精や胚の分裂に影響を与えていると考えられています。
細胞分裂というのは1つの細胞が2つに分裂するのですが、細胞とともに染色体も2つに分かれます。
セントロメアというのは、染色体のちょうど真ん中に位置する領域を示した名称であり、この中には細胞分裂に重要な動原体という構造があります。
2つの細胞が分かれる時に、染色体は紡錘体と呼ばれるヒモのような構造物に引っ張られて均等に分かれますが、この紡錘体が接着するための場所が動原体となります。
さて、細胞分裂に重要な動原体を含むセントロメア領域を抗原とする抗体が存在した時、細胞分裂というのは正常に進んでいくのでしょうか??
減数分裂というのは卵子の成熟と受精の時に行われる特徴的な分裂様式です。
抗セントロメア抗体が陽性の場合、卵子が成熟する際の分裂を阻害するため、細胞周期が予期せぬところで停止し、未熟卵が多くなることが考えられます。
また、精子が入って受精し、卵子に前核が形成する際も紡錘体は機能していると言われています。
抗セントロメア抗体が陽性の場合、多前核が多いのも、こういった事が原因かもしれません。
胚発育も、体細胞分裂なので〜
以下略。
実際には、さらに様々なタンパク質や因子が関与しており、異常を起こしたり、またその異常を治すよう働いたりしていると考えられます。
もう少し詳しく私が理解できれば、また解説致します。
以上です。
ご参考になれば嬉しいです。