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2個移植のキメラの可能性と陰性の理由考察
【ご質問原文】
はじめまして。いつも拝見させていただいております。
これまでの治療歴は以下の通りです。
①4AA凍結胚盤胞移植→hcg1.9
②4AA凍結胚盤胞移植→hcg 0.9
③4AA凍結胚盤胞移植→hcg 0
ERA検査 24時間のズレ ( 96時間± 3時間推奨)
④ 4AA凍結胚盤胞移植→hcg84.8(BT8時点)
5w2d進行流産 自然排出
染色体検査で、15トリソミーとの判定
⑤4AB凍結胚盤胞移植→hcg 0
残りの凍結胚盤胞は
6日目 4BAが1つ
6日目 4ABが1つ
5日目 4ABが4つ
6日目 4BBが1つ
です。
流産後、 不育症の有名なクリニックにて血液検査をし、すべて異常なしでした。
4月頭に凍結胚盤胞を移植の予定で、移植周期がスタートしております。
2点質問させてください。
①通っている病院の方針で、2個移植はオススメしていないとのこと。
どうしても希望があれば2個移植でも良いそうですが、ひとつにするかふたつにするか迷っております。
一番の懸念は、児のキメラです。
キメラの発生率や、キメラになるとその児は将来不妊になってしまうのかどうかなど、培養士さんのお考えを教えて頂けますか。
②5回目の陰性は、卵側の原因という判断で良いのでしょうか、
この先残された胚盤胞の中に、正常胚がないのではと不安になっております。
場合によっては転院も考えております。
どうぞよろしくお願い致します。
【回答】
ご質問ありがとうございます。
キメラについてですが、まず起こり得ないと思って良いかと思います。
人のキメラの発生率は正確には明らかになっていませんが、10万人に1人くらいと言われています。
仮に、2個移植で2つの胚が1つに融合したとしても、正常に発育する事はほぼないでしょう。
また、胚盤胞は初期胚よりも融合しにくいと思われます。(動物胚でキメラを人為的に作出する際はよく8細胞期胚などが使われます)
5回目の移植が陰性だった理由ですが、既往歴を見る限り、前回の移植でERAによるズレを調整して着床したため、断定はできませんが胚側の要因であった可能性が高いです。
ただ、内膜の状態や周期差、移植技術の差などもあるので一概には言えません。
以上です。
ご参考になれば嬉しいです。