初期胚移植か胚盤胞移植か?
【ご質問原文】
病院を転院し4つ目です。
いつも胚盤胞まで育たないですが、 初期胚でも凍結しましょうという病院と、胚盤胞でなければあまり意味がないので、到達しなければ廃棄という病院があるのは、どうしてでしょうか。
初期胚だと可能性も低いし、TESE精子で新鮮胚移植ができない (凍結して移植) からだとお医者さんが言って いたのですが、 Twitter で他の方の治療を見ると初期胚を2つ移植して妊娠したという方もいらっしゃいました。それはどちらが正しいのでしょうか。
病院によって言うことが違うため何を信じればよいのか分かりません。
【回答】
ご質問ありがとうございます。
どうしてそのような意見の相違が出てくるかというと、どちらの考え方も間違っていないからです。
初期胚よりも胚盤胞の方が妊娠する可能性が高いのは事実です。
一方で、初期胚もちゃんと妊娠します。
例えば、10個の初期胚が得られ、そのうち1個のみが妊娠できる胚であったとします。
そのうち、4個が胚盤胞になり、4回目の移植で妊娠成功したとしましょう。確率は1/4です。
(グレードなどのセレクションは無視します)
これをもし、初期胚で移植していたとすると、確率は1/10となります。
移植の回数で言えば胚盤胞移植の方が妊娠率は高く、無駄な移植を6回も回避できた事になります。
一方で、「妊娠した」という事実からみれば、初期胚移植でも胚盤胞移植でも変わりません。
確率が変動するというだけで、それぞれ1回目で妊娠できれば移植あたりの妊娠率も同じになります。
実際には、グレードなどで移植胚をさらにセレクションできるため、不要な移植は少なくなりますが、胚盤胞移植もセレクションのひとつとお考えください。
ただ、子宮外妊娠のリスクなど、いろいろな要因も絡んでくるので、一概には言えません。
また、体外環境が合わず体内環境で有れば胚盤胞まで発育できる胚が存在する事も否定はできません。
結局はどちらの方が確実に良いとは言い難いです。
こちらの記事で詳しく解説しています。
初期胚移植と胚盤胞移植はどっちが良いのか?
「TESE精子で新鮮胚移植ができない (凍結して移植) 」という事に関しては、そんな事はないと思います。
OHSSや内膜の状態で新鮮胚移植ができないのであれば、初期胚を凍結して、融解胚移植をする事も可能です。
以上です。
ご参考になれば嬉しいです。