刺激法を変える意味はある?
【ご質問原文】
はじめまして。 いつも拝見しております。
私はこれまで3回採卵を行っています。
多嚢胞気味でいつも採卵数は多く、成熟率や受精率は問題ないのですが、胚の分割が遅く初期胚の時点でグレードも悪く、胚盤胞になりにくいです。
1回目はICSIで11個受精→6日目 4CC 胚1個 (CLの方針で廃棄 )
2回目はIMSIで13個受精→5日目 3BC胚1個凍結。
3回目はIMSIで15個受精し、まだ凍結結果待ちですが、3日目の時点でG3~G5 (G4とG5多め)の胚しかありません。
3回とも刺激法はPPOS法で、クリニックの方針で初期胚凍結はなく胚盤胞凍結のみを目指しています。
質改善のため夫婦共、サプリメントも服用しています。
今後、採卵結果を良くするためには、どのような選択肢があるでしょうか?
刺激法を変えるべきなのでしょうか。
それとも卵と精子の質の問題なので刺激法などを変えることはあまり意味はないのでしょうか。
参考にぶらす室長さんのご意見をいただけますとありがたいです。 よろしくお願いします。
【回答】
ご質問ありがとうございます。
卵巣刺激の方法は、やはり患者さんによって合う合わないがあると思いますので、変更する事に意味はあると思います。
また、刺激法のみならず、薬の種類や量によっても卵子や胚の質が変わる場合も見受けられます。
そのため、上手くいかないのであれば刺激法や薬を見直す事で成績が改善する可能性は十分にあると思います。
PPOS法に用いられるプロゲステロン製剤もいくつか種類がありますし、PPOS法ではなくアンタゴニスト法やアゴニスト法に変えてしまうのも一つの選択肢かと思います。
しかし、刺激法を変えれば必ず改善するというわけではないですし、改善する可能性があるという事は悪化する可能性もあるという事は覚えておきましょう。
あと改善できる事といえば、精子側のセレクションをもう少し行っても良いかもしれません。
IMSIはもう実施しているようなので、例えば、PICSIを試してみたり、スパームセパレーターを試したりなどです。
これらも劇的に改善するものではないですが、改善が見られる症例にちょこちょこ出会うので、試してみる価値はあるかと思います。
以上です。
ご参考になれば嬉しいです。