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卵子活性化処理をしても受精しにくい症例


【ご質問原文】

はじめまして。 いつも拝見しています。
私達夫婦は男性不妊のため顕微授精をしています。 採卵を2回しましたが、2回ともそもそも受精率が 10~20%でした。

2回目にいたっては、カルシウムイオノフォアで卵子活性化をしたにもかかわらずです。

卵子活性化をしても受精しないということは、精子のみならず卵子についても質がよくないということでしょうか?

【回答】

ご質問ありがとうございます。

卵子活性化処理で最もポピュラーな方法がカルシウムイオノフォア処理です。

しかし、卵子活性化処理は効果がある症例とあまり見られない症例が存在します。

それは、おそらく卵子が活性化できていない理由が症例によって異なっているからだと考えられます。

もし、効果があまり見られない場合は、カルシウムイオノフォアの処理回数を増やしたり、異なる機序の活性化法(塩化ストロンチウム)などで処理する事で対応する場合が多いです。

それでも上手くいかない場合は、一般のクリニックではあまり実施していない方法(例えば、電気刺激法や活性化因子を注入する方法)を用いて活性化を実施しているクリニックで行うしかないかもしれません。

また、現段階では、受精障害の原因が、卵子側か精子側かはわかりません。

卵子を活性化する因子は精子由来なので、精子側の要因である場合が多いとは考えられますが、因子が作用しても卵子側がそれに反応できない事も考えられますので、やはりどちらにも原因は考えられます。

以上です。
ご参考になれば嬉しいです。

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