初期胚凍結の基準と方針
【ご質問原文】
先日採卵を10個採れました。
先生と相談の上、ふりかけ5個・顕微5個で受精させることになりました。
実際は未熟×4個、残り6個は受精しそのうち 2個は初期胚で凍結しています。
残4個は胚盤胞まで育てる予定でしたが成長ストップにて叶わずでした。
そこで疑問が浮かんだのですが、初めに初期胚を2個凍結しています。この時選ばれる胚はどのような胚なのでしょうか?
見た目のグレード が良い胚を初期胚として凍結してくれるのでしょうか?
それとも見た目が良い胚は胚盤胞になるよう培養を続けるのでしょうか?
培養士さんによって判断は違うかと思いますが参考までにお答えいただけると幸いです。
【回答】
ご質問ありがとうございます。
鋭い質問ですね。
もちろん、クリニックによって方針が違うと思いますが、私のクリニックでは、その時の症例の状況によって医師と相談しつつ決定しています。
例えば、形態的に良好胚が複数ある場合は「どれかが胚盤胞に到達するだろう」と考えて良好胚を凍結します。
反対に、良好胚が1〜2個と少なく「これが胚盤胞に到達しなければ難しそう」という時はveeck分類でグレード3や、少し発育の遅い胚を初期胚で凍結します。
また、受精卵の個数や年齢によっても凍結する胚は変わってくると思います。
クリニックによっては、症例によって凍結する胚を変えず、「凍結基準のグレードに達していなければ凍結しない」というクリニックもあると思います。
例えば、「グレード1以外の初期胚凍結はしない」
「グレード3以下は凍結しない」といったような方針です。
それはそれで方針として間違っているわけではないとは思います。
実際、「胚盤胞に到達できそう」と判定しても、発育できない事は少なくないため、試行錯誤自体が意味をなさないと考える事も理解できるからです。
以上です。
ご参考になれば嬉しいです。