多核胚は臨床成績に影響する??
どうも!
ぶらす室長です!
今回は、多核胚の影響について論文をレビューして行きたいと思います。
まず、前節として「多核胚ってなに??」
ってところから入って行きましょう。
基本的には、1つの細胞には1つの核があります。
これは、生物でほとんど共通です。
植物細胞にも核があり、その中に染色体やDNAが入っています。
※実際は赤血球は無核だったり、細胞によっては最初から多核だったりするので細胞によって違います。今回そこのところは割愛しましょう。
卵子や受精卵についての多核胚の話をする時にややこしいのが「多前核胚となにが違うの?」というところです。
ここは、しっかり抑えてから本題に入りましょう。
多前核胚と多核胚の違い
◯ 多前核胚
受精した時に卵子の細胞の中に現れる核。
正確には核になる前の核で前核と言います。
精子由来の雄性前核と卵子由来の雌性前核の2つが出現するのが通常。
3つや4つ出現してしまった時は、多前核と呼ばれて、多精子受精などの異常な可能性が高いので、培養しない場合が多いです。
◯ 多核胚
受精して、分割(分裂)した細胞に出現する核が、1つではない状態。
通常、受精卵の細胞の中の核は1つ。
しかし、タイムラプスで観察していると細胞の中に小さい核が複数出現することがあります。
これを多核と呼んで、成績に影響するかを調べた報告が昔からいくつか発表されていました。
ちなみに、多核は2cell以降、4cell、6cellのステージでよく観察されます。
多核にも種類があり、1つを基準として2つ、3つ、4つ、それ以上の核が出現していたり、同じ受精卵の2cellのうち、片方は1つで片方は多核であるケースもあります。
ここまで良いですかね?
今回ご紹介する論文では、2cell ステージの多核の影響を調べています。
では、いってみましょう!
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