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2段階胚移植は反復着床不全に効果ある???

どうも!
ぶらす室長です!

移植を繰り返しても妊娠(着床)しない場合、多くの施設では2個胚同時移植を行うと思います。

2個移植に関してはこちらの記事をご参照ください。↓↓

それでも上手くいかない症例の選択肢として、先進医療として実施されている2段階胚移植があります。

2段階胚移植(2step ET)とは?


2段階胚移植(2step ET)とは、異なるステージの胚を1個ずつ順番に同じ移植周期に移植する方法です。

2ステップET、Sequential ETと呼ばれる事もあります。一般的には初期胚(2日、3日目)を移植し、さらに胚盤胞(5日目、6日目)を移植するのが主流です。

2段階胚移植実施の注意点としては下記のことが挙げられます。

・受精卵が2個以上必要
・多胎妊娠のリスクが増加する可能性がある


この2段階胚移植は、妊娠(着床)率の向上を期待して実施するわけですが、本当に効果があるのでしょうか??

現状、国内では「反復着床不全症例」に適応されて実施されています。

反復着床不全症例(Recurrent implantation failure : RIF)とは、良好胚を2〜3回移植しても着床(妊娠)しない症例を言います。

詳しくはこちらの記事をどうぞ↓↓


初めて2段階胚移植が報告されたのが1988年の事で、かなり歴史的にも古いです。
その有効性については議論が分かれています。

ところが、最近になってポジティブな意見の論文が増えてきたと感じています。

近年報告されたランダム化比較試験(RCT)メタ解析論文をレビューして、反復着床不全症例に効果があるか?を調べていきましょう。

上記の研究手法がよくわからん!
という方はこちらの記事をどうぞ。


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