抵抗器

抵抗器は、電流の流れを妨げる働きをします。
電子部品には、部品に流れる電流に制限を設けているものがあるため、部品を保護するために抵抗器を使用して電流を制御します。

上図の上の記号が抵抗器の回路図記号で、JIS C 0617で規定されています。
下の記号は古い表記方法で、JIS C 0301で規定されていました。新しく作成される回路図には基本的に使用されません。
過去に作成された古い回路図に使われています。

抵抗器は、使用される素材によって特性が変わります。
下の表は抵抗器に使用される素材の一覧と特性の概略です。

固定抵抗器

抵抗値が固定(一定)の抵抗器で、電子回路に多用されています。
一般に抵抗または抵抗器という場合は、固定抵抗器を指します。

炭素被膜抵抗

磁器体の表面に炭素皮膜を装着したもので、絶縁のために保護塗料を塗ってあります。
小電力用として最も一般に使用されています。

ソリッド抵抗

炭素粉と樹脂を混合し、固形化した抵抗器です。
高耐圧、高抵抗のものを作ることができるため、電源回路などに使用されていましたが、誤差が大きく、雑音が出やすいため、炭素皮膜抵抗に置き換えられています。

金属皮膜抵抗

炭素皮膜抵抗の炭素皮膜の代わりにニッケル系の金属材料を使用しています。
炭素皮膜抵抗に比べて温度特性、電流雑音、高周波特性に優れているため、精密回路を作ることができますが高価です。

酸化金属皮膜抵抗

金属皮膜抵抗の金属皮膜の代わりに酸化スズなどの酸化金属を使用した抵抗です。
熱に強く、小型で大電流を流すことができるため、電源回路などに使用されます。

巻線抵抗

セラミック体にマンガンやニクロムの線を巻き付けた抵抗です。
低抵抗で大電力を得ることができますが、抵抗値の高いものは大型、高価になります。
線を巻いているため、交流回路ではコイルとして特性が出てしまいます。

セメント抵抗

巻線抵抗または酸化金属皮膜抵抗をセラミック製のケースに入れ、シリコン系の樹脂で封入したものです。
不燃性のケースに封入されているため、高温でも発火せず絶縁性も優れているため、大電力回路で使用されます。

ホーロー抵抗

セラミックのパイプに抵抗線を巻きつけ、ホーローで封じ込めたものです。
高温に耐えるので、大電力を扱う場合に適していますが、高周波特性は悪くなります。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?