論理演算は、あるものの状態が条件に対して成立するか、しないかを評価し値を求める演算です。
この時の値は、真(true)、偽(false)の状態となります。
電子工学では、真=1、偽=0に置き換えることで簡単に表現しています。
論理演算は四則演算と異なり、数値ではなく状態の演算処理を行うため、集合の考え方が基になっています。集合として特別な2つの元 0, 1 のみの2点集合 {0, 1} からなるものを考え、この集合に対して集合演算を行います。
このとき、計算の対象となる値を入力と言い、結果を出力と言います。
制御を実現する際には、ハードウェア、ソフトウェアを問わず論理演算が必要になります。
入力数が1の場合
入力の数がひとつの場合に、出力は以下の4通りになります。
入力がなんであれ、常に 0 を出力する。
入力がなんであれ、常に 1 を出力する。
入力がなんであれ、入力と同じ値をそのまま出力する。
入力が 0 であれば 1 を、入力が 1 であれば 0 を出力する。
上記4のような出力を行う演算を「否定」といいます。
入力数が1の場合に4以外は演算を行う必要が無いため、論理演算においては、4の否定だけを注目すれば良いでしょう。
入力数が2の場合
入力する値P、Q対して演算の種類は16通りになります。
矛盾:P、Qがなんであれ、常に0を出力する。
トートロジー:P、Qがなんであれ、常に1を出力する。
論理積:与えられた複数の命題のいずれもが例外なく真であることを示します。
否定論理積:論理積の結果の否定が出力する値になります。
非含意:Pが真かつQが偽のときに真になります。
含意:Pが偽またはQが真のときに真になります。
命題P:Qがなんであれ、Pの状態を出力します。
否定P:Qがなんであれ、Pの反転状態を出力します。
逆非含意:Pが偽かつQが真のときに真になります。
逆含意:Pが真またはQが偽のときに真になります。
命題Q:Pがなんであれ、Qの状態を出力します。
否定Q:Pがなんであれ、Qの反転を出力します。
排他的論理和:2つの入力のどちらか片方が真でもう片方が偽の時には結果が真になります。
同値:2つの入力が同じ状態の場合に結果が真になります。
論理和:2つの入力のどちらか、あるいは両方が真の場合に真になります。
否定論理和:2つの入力の両方が偽の場合に真になります。
回路を設計する際に、複数の入力があった場合、入力信号の状態によって出力が決定されます。従って、矛盾やトートロジーのように出力値が固定されていることや、命題、否定のようにどちらか状態がそのまま出力されるような回路は特殊な場合です。
ここで理解しておく演算は、論理積、論理和、排他的論理和だけになります。
また、前述の否定とあわせることで、回路を設計することができます。
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