電位

物理学に「場の概念」という考え方があります。
場とは、空間のいたる所に分布している物理量のことです。
今、手に持っているものを放すと下に落ちます。これは、日常の空間は重力場の中にあり、上から下に向かって重力が働いるからです。高い位置にあるものには位置エネルギーがあります。手を放すと位置エネルギーは運動エネルギーに変わり下に移動します。
重力による位置エネルギーは、重力加速度 gで、基準面より高さ hのところにある質量m の物体が持つエネルギーで、U=mghと示されます。

ある基準点(例えば、机の上)にある物を上に引き上げようとします。
重力は、重力加速度と質量の掛け算で計算できます。従って、mgとなります。これを上に引き上げるための力Fは重力と同じになります。
高さhまで引き上げるための仕事量WはF×hとなり、引き上げることで位置エネルギーに変換されます。
このときの位置エネルギーはU = F × h = mghとなります。
この引き上げられた物から手を放すと、重力によって物は下に落ちます。これは、物が重力場の中にあるからです。

重力場の他に「電場」「磁場」などが有名です。
電気でも同様に「電場」という空間が存在し、電荷にクーロン力を与えています。
電場はE[N/C]と表します。
電位とは、「電場中にある点に置かれた+1[C]の正電荷のもつ位置エネルギー」のことを言います。

上の図のように上から下に働く電場において、+q[c]の電荷をB点からA点までd[m]を移動させた場合、位置エネルギーはU = qEdとなります。
重力場における位置エネルギーと比較すると、電荷qは質量mに、電荷Eは重力加速度g、移動量dは高さhに相当します。
この電場における位置エネルギーを電位と言います。
電位の単位はボルト[V]です。

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