ジュールの法則
電気回路に電源を接続すると電流が流れて、熱が発生します。この熱をジュール熱といいます。
暖房機器やはんだごてなど、熱を利用する機器以外では回路が発生させている熱は、電気エネルギーを無駄にしています。
また、熱によって回路が劣化しますし、場合によっては回路を焼損させてしまうこともあります。
回路が発生する熱エネルギーの量を計算する方法がジュールの法則です。
ジュールの法則の公式
ジュールの法則とは、ジュール熱の熱エネルギーの量が電圧と電流と時間に比例するという法則です。
ジュール熱Q[J]、電圧E[V]、電流I[A]、電流を流した時間t[s]を使って表すと次の式になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1658489273355-RFb8khV1L8.jpg)
上の公式にオームの法則の式を代入することができます。
電流が一定のときは、電圧Eの2乗と時間tに比例し、電気抵抗Rに反比例します。
![](https://assets.st-note.com/img/1658489501660-ij6MrkkUPY.jpg)
電圧が一定のときは、電流Iの2乗と電気抵抗Rと時間tに比例します
![](https://assets.st-note.com/img/1658489535836-A5sVsfvmIv.jpg)
熱量との関係
ジュールの法則で算出するのは熱エネルギーです。
このままで分かりにくいときは、熱量[cal]に換算することができます。
カロリー[cal]とジュール[J]には、下の式の関係があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1658489581095-qAXT6op8H6.jpg)
この式は、熱エネルギーから熱量を算出する際に使用します。逆に、熱量から熱エネルギーを算出する際は下の式になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1658489605937-rZC0UpAyjn.jpg)
回路設計の注意点
ジュール熱は、回路に悪影響があります。
ジュールの法則の公式から、回路に供給する電圧を下げるか、回路を流れる電流を減らすことでジュール熱を抑えることができます。
たとえば、5Vの電圧を2Ωと3Ωの抵抗で分圧すると、3Vの電圧を得ることができます。この時の電流は1Aになります。この抵抗を200kΩと300kΩにしても、得られる電圧は3Vですが、流れる電流は0.1mAになります。
ただし、回路に使用する部品には、動作するための電圧や電流がある程度必要なものがあるので、むやみに電圧や電流を抑えることができません。
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