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本場のテキーラを楽しもう!

【テキーラとは?】
テキーラは、アガベ・アスルの球茎部から抽出された糖分を発酵し、蒸留させて作るスピリッツ(蒸留酒)です。テキーラ規制委員会により厳しく管理されており、蒸留酒をテキーラと呼ぶには正式な基準の規定により原産地呼称によって保護された地域・プロセスで製造されている必要があります。

【テキーラって何からできているの?】
テキーラはアガベ・アスルという竜舌蘭の一種からできています。よくサボテンからできていると言われますが、サボテンとアガベは異なります。
竜舌蘭は150種類余りあり、そのうち136種類がメキシコに植生していると言われています。

アガベ・アスル

【テキーラの種類】
▼クラス
テキーラは熟年数などによってクラス分けされます。
①ブランコ (Blanco/Silver)
蒸留させたばかりのもの、あるいは、樽での熟成期間が 2か月以内のもの

②ホベン(Joven/Oro/Gold)
ブランコといずれかの熟成させたテキーラを混ぜたもの。

③レポサド (Reposado)

オーク材の樽で最低2か月間 熟成させたもの。

④アニェホ (Añejo)
600ℓ以下のオーク材の樽で1年以上熟成させたもの。

⑤エクストラ アニェホ(Extra Añejo)
600ℓ以下のオーク材の樽で3年以上熟成させたもの。

熟年数が長くなればなるほど価格は高くなり、数万円〜数十万円するボトルもありますが、一周回ってシルバーが一番好きと言う人もいます。


▼カテゴリー

①テキーラ
原材料にアガベ・アスル・テキラーナ・ウェーバー由来の糖分を51%以上を使用し、その他の原材料由来の糖分が49%以下で作られたもの。

②100%アガベテキーラ
アガベ・アスル・テキラーナ・ウェーバー由来の糖分100%で作られたもの。

【テキーラの作り方】


①栽培
原材料となるアガベ・アスルを栽培します。大きいもので人の背丈ほどに成長します。


収穫
5年ほど育ったアガベを収穫します。
収穫する人をヒマドール、アガベの葉を切り落とす道具をコアと呼びます。

③加熱
葉を落としピー二ャと呼ばれる球茎の部分を蒸し焼きします。イヌリンなどのリュウゼツランに含まれる糖は、加水分解または調理によって発酵性糖に変換する必要があり、このプロセスに120°C~125°Cの温度で最大6時間かかる場合があります。昔は石を敷き詰めた穴にピニャを積み、下から燻製に近い形で蒸し焼きにしていましたが現在では大きなオーブンに入れ加熱します。

④搾汁
蒸しあがったピーニャからすり潰し汁を絞り出します。
昔は大き石をつけたロバを丸く周遊させて搾汁していましたが現在では機械化が進んでいます。

⑤発酵
絞り汁を発酵させます。発酵後はエタノールが3 - 5%が含まるようになります。

⑥蒸留
蒸留器に入れアルコール度数を高めます。このプロセスは2つの段階からなり、この段階を経て、ブランコ・テキーラが得られます。メスカルの蒸留は1回ですが、テキーラは2〜3回蒸留されます。

出来立てのテキーラ!

⑦熟成
基準によると、レポサドテキーラはオーク材またはオーク材の容器と直接接触して少なくとも2か月間、アネホでは1年間、エクストラアネーホでは少なくとも3年間熟成しなければなりません。これにより、テキーラのクラスが決まります。

⑧出来上がり
ボトル詰めして出来上がりです。

▼動画はこちら(とってもわかりやすい)


【テキーラ規制委員会(CRT)】
テキーラ規制委員会の決まりにより、下記の条件にクリアしているもののみをテキーラと呼ぶことができます。

①主原料はアガベ・テキラナ・ウェベル・バリエダ・アスルであること。また、主原料が総原料に占める割合は51%以上であること。
②主原料のアガベは、ハリスコ州、グアナフアト州、ナヤリ州、ミチョアカン州及びタマウリパス州の特定地域で生育されたものでなくてはならない。またテキーラ町およびその周辺地域で蒸留されたものであること。
③最低2回の蒸留がされていること。
④メタノールの値は3mg/ml以下であること。
⑤アルコール度数は35% - 55%であること。
⑥水以外の添加物は1%以下であること。
⑦NOMナンバーと呼ばれる4桁の蒸留所番号をラベルに表記しなくてはならない。

https://www.crt.org.mx/

全てのテキーラメーカーはCRTの認可が必要であり、テキーラのラベルにはメキシコ公式規格である「NOM」のイニシャル、テキーラ規制委員会の認証である「CRT」のイニシャルと、4桁の番号が印刷されています。

【原産地呼称制度】
シャンパンなどと同じようにテキーラは限定された地域で作られたもののみテキーラと呼ぶことができます。
現在下記5州で作られてもののみ、テキーラと呼べます。
①ハリスコ州(全体の約90%を生産)
②ナヤリット州
③ミチョアカン州
④タマウリパス州
⑤グアナファト州

これは正真正銘の製品を消費者に提供するという保証となっています。

グアダラハラに広がる風景。「テキーラの古い産業施設群とアガベ 畑の景観」は2006年にユネスコの世界文化遺産として登録されています。

【メキシコにはテキーラ村がある?】
グアダラハラにはテキーラという名前の街があります。また
メキシコにはRUTA de Tequila(テキーラルート)といって、テキーラの作り方や歴史などを知ることのできるルートがハリスコ州・グアダラハラにあります。

テキーラ・ルートについて知りたい方はこちら


テキーラ村。みんな街で素焼きの器に入ったテキーラを飲んでいます。

【テキーラの歴史 】
紀元前1500年頃の古代遺跡によると、メキシコ西部にはすでにテキーラの起源となるアガベ文化がありました。メキシコ先住民はすでに「プルケ」として知られる発酵飲料を生産していましたが、今日私たちがテキーラとして知っているものに似た、リュウゼツラン由来のアルコール飲料が生産され始めたのは、スペイン人による蒸留の導入です。ハリスコ州でのテキーラに似た飲み物の製造に関する最初の歴史的記録は、メキシコにおけるスペインの植民地時代の 16 世紀に遡ります。

【テキーラを楽しもう!】

▼テキーラの飲み方
テキーラは日本ではショットで飲むことが浸透していますが、本場メキシコでは嗜むものです。カバジートと呼ばれるショットグラスでも、ちびちびと味わいながら飲みます。またおすすめなのがシャンパンやワインなどで使ういフルートグラスです。フルートグラスはアガベの独特で繊細な香りを保ち、味わうときに風味のニュアンスを味わうことができます。結婚式や誕生日会など、お祝いの席で談笑しながら楽しみます。

▼テキーラのお供
テキーラを飲む時はライムと塩を後に舐めるのが一般的です。
またバンデラ(国旗)と言って、ライム汁、テキーラ、トマトジュースのセットで提供されることもあります。これはライムの緑、テキーラの白、トマトジュースの赤をメキシコの国旗の色とリンクさせたものです。

▼テキーラベースのカクテル

🍸マルガリータ
シルバーテキーラ 1½オンス
トリプルセックまたはコアントロー ¾オンス
フレッシュライムジュース ½オンス
アガベシロップ 適量
氷 ½2オンス
コーシャーソルト 適量

ロックグラスまたはマルガリータグラスの縁に水をつけた後、塩をつけます。氷、テキーラ、ライムジュース、アガベシロップ、そしてトリプルセックをブレンダーに入れてセットします。滑らかになるまでブレンドし、用意しておいたグラスに注いだら完成です。

🍸パロマ
シルバーテキーラ 2オンス
フレッシュグレープフルーツジュース 2½オンス
フレッシュライムジュース 1オンス
アガベシロップ 1オンス
無糖炭酸水 ¼カップ
コーシャーソルト

グラスの縁に塩をまぶします。クレープフルーツジュース、ライムジュース、アガベシロップを入れ、溶けるまで混ぜ合わせます。それをテキーラに入れかき混ぜ、氷を加え、最後に炭酸水を注いだら完成です。

🍸ハリスコ・エクスプレス
シルバーテキーラ 2オンス
アガベシロップ ¾ オンス
フレッシュライムジュース 1オンス
ハラペーニョのスライス 1枚 (種は取り除く)
きゅうりのスライス 2枚
バジル(葉)

バジル、ハラペーニョ、きゅうりスライスをミキサーに入れ、そこにアガベシロップを加えて攪拌します。残りの材料に加えたら完成です。

🍸テキーラ・サンライズ
シルバーテキーラ 2オンス
フレッシュオレンジジュース 4オンス
グレナデンシロップ ¼オンス
オレンジのスライス 1枚
チェリー 1個

テキーラとオレンジジュースを冷えたハイボールグラスに注ぎます。 そこにグレナデンシロップを上から注ぎます。 オレンジのスライスとチェリーを飾ります。

🍸サングリータ
トマトジュース 7オンス
フレッシュオレンジジュース 4オンス
フレッシュグレープフルーツジュース 1オンス
フレッシュライムジュース 1オンス
メキシカンホットソース 1オンス
チリセラーノ 2本(縦にスライスしたもの)
コーシャーソルト

ピッチャーにすべての材料を入れ混ぜ合わせ、適温になるまで放置します。 チリを取り除き冷やします。シェイクして氷の入ったロックグラスに注いで完成です。

【テキーラの日】
テキーラの日が二つ設定されています。国際デーは毎年7月24日、国内では3月の第3土曜日に祝われます。日本でも国際デーに従い、7月24日がテキーラの日に制定されています。

テキーラを楽しもう!

アガベの植物が成熟するまでには数年かかり、そのアガベが良質のテキーラに変わるまでにはさらに何ヶ月も何年もかかります。また、日本で手に入るテキーラは、はるばるメキシコから届いたものです。
その年月に思いを馳せながら、今宵はテキーラをじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。


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