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とある俳優のブログ。#1




海のそこに沈んでるみたいに。
と、言う在り来りな比喩表現。
今の私は正しくそれで。

何も見えない、
何も聞こえない真っ暗闇。
そこに私が居て。

少し前まで浴びていたはずの
スポットライトから外れて
立ち位置間違ってるよ、なんて。
バミリの蓄光さえも
見えなくなってしまった。

鳥目なのかなぁ
なんて、ボヤきながら探して
探して、探して。
沢山探して。
でも見つからなくて。
誰も教えてくれない。

人間はみんな
そんなに優しくないんだって。
私がしてきた仕打ちの分が
今になって全部全部
私に跳ねっ返って来てるみたいに。
気づいたら何も残ってなくて
私の姿すら見えなくなって
好きだったものを見て
涙が溢れそうになった。

音が、聞こえない。
耳が、聞こえない。
心が固まってしまって
1歩も踏み出せなくなった。

今の私に存在意義などなくて。
無くなってしまって。
なんのためにここにいたのかも
分からなくなってしまって。

自分探しの旅に出かけようって。
そんなことする勇気もなくて。
惨めになって、
砕ける音がした。

どんどんと煌びやかになっていく
周りの人間を他所に
どんどんそこに落ちていく私。
最悪な対比だ。
頑張ればきっと、いつか
報われるんだって
そう信じてやまなくて
ずっと走ってきた。

夢を、見てたし
覚めたいとも思わなかったし
覚めるとも思ってなかった。

現実は唐突にやってきて
私の頬にビンタをかまし
『目ェ覚めろ!!』
って、体育会系で。

夜、メールを読みながら
年甲斐もなくオイオイ泣いて
今までの全てが
音を立てて崩れ落ちて
私は、長い長い夢から覚めた。
覚めてしまった。

真夜中の、2時にメールをした。

衝動的で、非現実的で
でももう、それ以外
私の脳は動かなくなって。

時計の針が動き出した。
これは、私の物語。



yu kawazoe

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