風を読む者。
大昔、海援隊士の役をやった時。
でかい声を出しすぎて
2日目で喉を潰して声が出なくなった。
その役は、帆船がだいすきな
駆け出し海援隊士で
真っ直ぐで盲目な役だった。
役者になって2本目の舞台で
主役じゃないけど主役みたいな役を貰った。
あの頃はがむしゃらで
声の出し方も分からなければ
体の使い方も分からず
全てをボロボロにして駆け抜けていた。
と、いうことを、
今日の稽古でふと思い出した。
今日、初めて上演台本の読み合わせをした
#海賊の時間2024 の稽古。
私自身は色んな界隈に漂う俳優のせいか
今回はどんな空気感になるのだろうか、
と、周りの出方を伺いながら
初読みに挑んだのだけれど。
セリフの1言目で痺れるくらいの
パワーを感じた。
はー、なるほどね!!!!!
と、言う感じで
生命力の大槌で後頭部をぶん殴られた。
結論から言えば楽しかった。
とはいえ
まだまだ刺せる部分はあるなぁ
と、自分自身の反省は多かった。
せっかくの初読みなのだから
いいとこ見せたかったけど
全然ダメだった。笑
(この思考がダメなのかもしれない笑)
備忘録としてしたためている
個人HPの過去出演作は
般若心経みたいな量になりつつあって
どんなに謙遜しても
「まだまだ新人です!」
と言えるほどの
現場の数ではなくなってしまっている
そんな私なのだけど
(とはいえ上を見たらまだまだなのだけど)
まだ出演本数が1桁とか
そういう時にやってた芝居を
慌てて引っ張り出した。
最近は、サポーターとか飛び道具とか
縁の下の力持ちとか
そういう役回りがちょっと多かったけど
1回そういう気持ち忘れてみたら
とても楽しかった。
演出判断はどうか分からないけど
私はこの方向も
悪くねぇな、と思ったし
この短期間でこんな役を振ってくれた
演出のれいちくんには
してやられたなぁ。人間性見抜かれてるわ。
とも、思った。
(とてもポジティブな意見です)
今はとにかく早く芝居したいなぁ。と、
心が踊っている。
なんというか、
こういう感覚久々だな。
昔はよくSNSで
「稽古したい」
と、騒いでいたなぁ。
早く台詞も覚えたい。
(気持ちだけ。覚えられるかは別として)
人によって、作り方も関わり方も
様々だとは思うけど、
作品作りは風を読むみたいな作業だなと
海賊の話をやっているせいか、
そんなことを思った。
帆船はたとえ向かい風でも
前に進むことは出来る。
どのような舵を切るのか
風を読みながら進んでいくのだ。
これからこの作品に、そして私に
どんな風が吹くんだろうかなぁ。
なんて安っちくて臭すぎることを
思った。
恥ずかしいから明日には
なかったことにしようと思う。
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