【終演】忘れるな。
テクニックとかどうでも良かった。
ただ、叫んだ。
俺の声が届きますようにって。
2年越しの出会い。
脚本演出をしてくださったなぐりさんと
出会ったのは2018年の
とあるオーディションでした。
世界観に引き込まれたのを覚えてて
『この作品、やりたい!』
って思いました。
その時はなぐりさんの作品に
携われなかったんですけど
諦めきれなくて
キモいDMを送ったのを覚えています笑
そんな私のことを
なぐりさんが覚えてくださっていたのが
とても嬉しかったです。
初めて作品のプロットをもらった時、
めちゃくちゃ興奮しました。
なぐりさんは優しくて
稽古場の雰囲気も
作風とは打って変わって柔らかく
何をしても許してくれるので
初現場なのにガンガン
アドリブ(主に前半)を
突っ込んでたりしました。
個人的には
なかなか珍しい現象です。
アオイ。
こいつはまぁ、
なかなかに疲れましたね。笑
初稽古ではちょっとクールに
作ったりしてたんですけど、
なんでかあんな方向になりました。
ハナの日記では
盛り上げ担当というか
完全にガヤ担当みたいな感じ。
でも、恐らくだけど
本当の3人も
こんな感じだったんだろうなと。
ハナを可愛がったり
ニチカに突っ込んだり
アオイが2人に突っ込まないと
収拾つかないシーンも
沢山あっただろうなって。
そしてハナとの関係。
これはきっとアオイの
生まれつきの性格なんだろうけど
アオイは馬鹿だけど、
きっと普通の人より
他人を見る目があったんだと思う。
だからハナの優しさが心地よかったし
ハナの闇にも気付いてたし
本能的に『ハナを守らないと』
と、思ってたんだと思う。
アオイの日記。
アオイの日記は
アオイが唯一本心を吐くのを
許される場所だったと思う。
日記は随分昔のことから書いてあるけど
それは、
本当は誰かにこの苦しみを
知って欲しかったからだと思う。
律が来る前までは
ずっと、我慢してた
強い子だったんだろうな。
律が来てから
憎むべき『大人』という対象が
目の前に現れた。
オマケに想い人の想い人。
アオイの感情のダムが
決壊したんだと思う。
本当はこんなこと言いたくなくても
言わなきゃ正気を保てなくて
吐けば吐くほど止まらなくて
だから。
アオイはずっと
律に『助けて』って言ってたんだ。
助けて欲しかった。
自分を、ニチカを、ハナを。
そして麦ちゃんを。
麦ちゃん。
一目惚れって理由はないけど
きっと麦ちゃんの笑顔が
好きだったんだと思う。
冷静に考えて、
ハナのことを好きになるのなら
麦ちゃんのことを好きになるのも
当然の事だったと思う。
初めて施設であった時は
ショックだったと思う。
けど、麦ちゃんが
施設で見せてくれた優しさは
嘘ではないことも
わかっていたと思う。
アオイは人を見る目があったから。
麦ちゃんが苦しんでたのも
きっと知っていた。
律が来て、ハナに嫉妬する
麦ちゃんを見て
アオイは苦しかったと思う。
そして、自分の無力さを
嘆いてたんだと思う。
叫べ。
高校演劇を始めたての時
顧問の先生に
『感情とかどうでもいい、セリフを叫べ』
と、言われた。
あれから何年も経って、
50本近く舞台を踏んで
技術も身につけて
セリフの言い回しとか
きっと、あの頃よりも
ずっと上手くなってると思う。
もちろん稽古の初めも
それっぽい感じで読んでたと思う。
でも、なんか違うなって思った。
それはなぐりさんのダメ出しを受けたから
というのもあるし、
やってるうちに変わっていった。
アオイはそんな頭良くない。
アオイはそんな器用じゃない。
アオイなら、きっと。
最後のシーン。
嫉妬に狂う麦ちゃんを
目の前にして
死にゆく苦しみよりも
麦ちゃんが苦しんでる姿を
見ている方が辛かった。
『人を好きになるって、
もっと幸せなことだろ』
というセリフがあるのですが、
そこに、私は
『なぁ、先生』を付け足しました。
勝手に。笑
麦ちゃんが麦ちゃんでいて欲しかった。
これ以上汚れて欲しくなかった。
自分は子供で、
視界に入れて貰えなかった。
それでも、届いて欲しかった。
なんでもいい、死んでもいい、
ただ、聞いて欲しかった。
俺の、最後の言葉を。
そこに役者としてのテクニックはなくて
ほんとにアホみたいなんだけど
ただ、叫んだ。
届いてくれって。
戻ってきてくれって。
ハナと律を守るために
殺したのもあるのかもしれない。
ただ、きっと
麦ちゃんを守るために
アオイは麦ちゃんを殺したんだと思う。
麦ちゃんに
これ以上汚れて欲しくなくて。
優しい麦ちゃんでいて欲しかったから。
律が花を殺したのと同じなんだと思う。
だから、これは
私の妄想なのですが。
ハナが死んだ後、
きっとアオイは律に
ありがとうと言ったと思う。
疲れた。笑
まぁ、先程も書いたのですが
まじで今回は
ひたすらに叫んでました。笑
うるさかったよね、ごめんね。
でも、大人になるにつれて
ストレートに想いを伝えるって
下手くそになってくと思ってて
それに比べて
アオイはバカにストレートで
そんなアオイに負けじと
バカストレートに声出してました。笑
1公演1公演全力投球で
終演して家に着いた時は
泥のように眠ってました。
体力落ちたわ。笑
まじでうるさかったよなぁ
ごめんなさいね、皆さん。
公演途中に意識飛びそうになったり
頭の血管切れそうになってました。
久々でしたね、この感覚。
生きてるなーって感じでした。
忘れるな。
アオイ、報われないよね
可哀想だよね。
って思うよね。
辛いよね、マジで。
アオイの日記だけ読むと
きっと悲劇しかない。
でも、アオイの人生には
振り返るような人生は
沢山あったと思ってます。
オトンにオカンに
猿みたいな弟二人に
ハナと出会えたことや
麦ちゃんに恋したこと
ニチカと3人で騒いだこと。
笑顔の思い出だって
沢山あるんです。
本音を吐けるのが
日記しか無かったから
悲劇ばっかりになったけど
きっと、馬鹿なアオイだって
後悔ばかりの人生じゃないって
思ってたと思う。
絶望だらけの世界で
アオイはアオイなりに
きっと未来を託していたんだと思う。
どうか、忘れないで欲しいし
未来に繋がればいいなと思う。
最後に。
ご視聴くださいました皆様、
誠にありがとうございました。
この作品に携われて
本当に良かったです。
幸せでした。
そしてこれからも
仲良くしてくれると嬉しいです。笑
うーん。
なんかもっといっぱい
書きたいことあった気がするんだけどな。笑
まぁとりあえずいいか!
また配信とかで
話したりすると思います。
江益個人的には
最近コメディばっかだったので
真面目な作品久々で
緊張しましたわ!笑
うーん。
アオイは態度でかいし
うるさいしバカだけど良い奴だよ。
ありがとな。
一緒に走れて楽しかったぜ。
家帰ってきて直ぐに
自撮りしてみたけど
笑い方忘れたよ。
写真下手くそだなアオイ。笑
初めて自撮り撮りたくないと
思った役でした。
すまないね、気持ち悪くてとれなかった。
来世では君の夢である
『普通の人生』過ごせるよ、きっと。
またな。
忘れんなよ。
三枝葵役 江益凛