妻が親友に寝取られた話②
終わりの始まり。
嫌な予感というのは、僕の人生においてつくづく現実に起きてしまう。
良い予感は中々起きはしないが、こと悪い予感に関しては的中率9割といっても大袈裟では無い気がする。
ー親友が妻を寝取りしていたー
こんな事を考えるのもどうかしているが、そんな考えが現実に、妻の携帯から画面越しで結果として事実を伝えている。
胸糞悪いなんてもんではない。
一体いつから……?
安定期に入る前……?
安定期に入った後……?
理由は……?
幸せと思っていたのは俺だけの勘違いだったのだろうか……。
とにもかくにもこの時の僕は頭が真っ白で、
起きた現実に怒ることも、泣くことも、悲しむこともなく、寝ている妻を起こし真実を問いただす訳でもなかった。
ただ画面をボーッと眺め、無心でLINEのトーク画面を読み漁っていた。
そしてこのトークを読み漁るにつれて妻の真実を知ることになる。
すぐに書きたいとこではあるが、この話の続きはまた少し後に綴ろうと思う。
遥
遥は良い奴だ。
小学校からの付き合いで、共に色んな青春時代を過ごしてきた。
僕も遥も、学生時代は少しヤンチャな部類で、よく朝方まで一緒に遊びまくっていた。
だからこそお互いの悪い所もいい所もよく知っている。親友といってもいい。
むしろ親友だと思っている。
そう、今でも。。
遥という男は、世の中でいう細身のイケメンで、とても気さくで、気配り上手なやつ。勘がよく、でも少し意地悪な面もある。
だからまぁ、女にモテていた。
意地悪な部分の後に見せる優しさとかが特にね。笑笑
10代の頃のイメージは、友達は裏切らないけど、女にはチャラい。これが遥の悪いとこだ。
でも、友達の彼女とかに手を出すようなタイプでは無いし、今までそんなこと1度も過去にはなかった。
だからそこに関しては、信頼していた。
それになにより20代にもなると、遊びすぎていた遥はどちらかというと、仕事人間になり落ち着いていた方だ。
ただ、とりわけ話の中で結婚願望というのは持ち合わせていなかったが、遊んでばっかだったし、結婚に関しては慌ててないだけなんだろうと思っていた。
今にして思うと俺は、親友の事をあまり理解していなかったと思う。
そう遥は、20代になって落ち着いていたわけではない。
ー遊び方が変わっていただけだったー
寝取られの世界に遥こそ魅了されていた1人だった。結婚より寝取りの時間が大事であり、その為に働いていた。
だからこそ、嫁の愚痴を聞くなんていうのは今思うと最高のシチュエーションだったのかもしれない。
そこに、あの事件が加わるのだから……
手を出さずにはいられなかったんだろう。
妻と親友
遥と妻は気が合った。
いやむしろ、遥が妻に合わせていた。の方が近いのかも。
妻が話す僕の愚痴を、遥は冗談を混じえ返し、妻を笑わせ落ち着かせ、嫁の惚気には、下ネタを混じえて話を引き出す。
会話の天才だ。
僕も、会話は好きだ。人見知りとかしない。
でも、遥ほどではないと思う。
なにより僕は少なからず、親友の嫁に下ネタなんて言えないしね。笑笑
けど、遥と妻は違った。
そう、僕はそういう下ネタを恥ずかしく思い、相手を不快にさせたらとか気を使うが、2人は別に普通なのだ。
まさに価値観の違いだ。
嫁がLINEで
僕の愚痴をこぼしているとしたら
遥は、
「また、嘆いてんのかよ!このぺちゃぱい!」
とか言ってしまうやつだった。
もっと早く携帯を見て相談役を遥にしなければ良かったと思っている。
しかし、妻も妻だ。
続きのLINEで
妻「だってこれ以上大きくならへんねんもん」
遥「旦那に揉んでもらったら大きくなるでw揉んでもらいーや!俺でもいいけどw」
妻「遥くんはいらん!ヤリチンやん!」
とか、どー考えても言わなくていい。
しかし言うのだ。この2人わ。
なんなら俺に対しての愚痴はそっちのけになっている。
そして悪いことにそんな内容を2人は僕に赤裸々に話さない。
言えば怒る。
そこは間違いなく2人の共通認識としてあったらしい。
実際、怒る。怒るに決まっている。
そう。価値観。
何度も言うが、価値観が違う。
だって俺はこの時、遥はともかく妻が経験人数まさか30人超えてるなんて知らなかったからね。笑笑
ちなみに遥は嫁に経験人数100超えてると言っていたらしい。
俺はそんな事すら知らなかったよ。笑笑
興味もなかったし。
でも今思うと、もっと知っとくべきだったかも!?
ホントに、こんな相談関係をしてると知ってたら、紹介なんてしなかったのに。
愛する妻と、信用している親友の価値観の違い、裏切り。
携帯みただけで知らない事がこんなに沢山分かるんだから。
でもなにより、そんな相談関係の枠を超え、肉体関係に発展し、あの携帯を覗くキッカケになった夜。
そう。ハメ撮り流出事件。
全部ここからなんよね。俺たちが狂ったのって。